連載 ホメ夫先生のやる気引き出し術

ほんとにあった、出題者からの「メッセージ」付き入試問題|全力珍回答! ホメ夫先生のやる気引き出し術(32)

専門家・プロ
2017年2月24日 辻義夫

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こんにちは。辻・アインシュタイン・ホメ夫です。

入試も終わり、塾での新学年が始まりました。

新6年生は「いよいよ自分たちの番だ!」と胸を熱くしているかもしれません……お母さんが(笑)。

いや。

実際のところそういうご家庭が多いと思います。

お子さんって、「時間は無限にある」くらいの体感なんですよね。

ホメ夫くらいの年齢になってくると、1年なんてあっという間。

冗談でなく「人生っていつか終わるんだな」とちょっぴり実感してしまいます(遠い目)。

さて、今回は入試も終わったということで、珍回答ならぬ「珍出題」をご紹介しようと思います。

「珍出題」なんて失礼な表現は妥当ではないですね。実際には解き終わった瞬間「じ~ん」と感動してしまいました( ;∀;)

麻布中学校・理科の試験問題は出題者との「対話」の醍醐味が味わえる

ホメ夫が毎年楽しみにしている、麻布中学校の理科です。

大問1から、さっそく「初見」の問題です。昨年認められた原子「ニホニウム」に関するものですが、問6あたりが「シビレル」計算問題となっています。

問題文を読んだだけで、ブルっとなっちゃいそうな(笑)。

原子核と原子核をぶつけて新しい核を作るという問題なんですが……。

ちょっと読んでみます?

問6 核Fを集めたところに36万個の核Eを発射すると、そのうち1個が核Fにぶつかるとし、80兆回ぶつかると、そのうち1個がひとつのかたまりになるとします。核Fを集めたところに、1秒あたり2兆個の核Eを1000日間発射し続けると、新しい核はいくつできますか。答えが整数にならない場合は、小数第1位を四捨五入して整数で答えなさい。

……ね? シビレルでしょ?

解いている受験生の方も、ここまで条件を与えられると「きっと割り切れるんだろうな」なんて想像しながら解いてたりするのです。

まさに出題者との「対話」の醍醐味が味わえるのが、麻布中の理科の最大の特徴だとホメ夫は思っています。

まるで麻布の先生に理科を習っているように、理科好きのお子さんは楽しみながら解けるのです。

最終問題のあとに出題者の先生から「メッセージ」が……

大問2は光と発芽の関係に関して実験から考える問題、大問3は慣性に関する問題と、この2問も十分解きごたえがあるのですが、極めつけは、大問4の最終問題、問8、のあと(^^)

生物の進化についての問題なのですが、問8の下にまだ文章が続いています。

「最終問題のあとに、まだなんかあんの?」

と思うでしょ?

あるんです。

麻布の先生からの「メッセージ」が。

4行、百数十文字にわたって、出題者の先生からのメッセージが書かれています。

すごすぎる(笑)。

麻布中の問題は、理科の勉強で本来味わえる「謎解き」の感覚が存分に味わえるもので、こういった問題を楽しめる子どもに来てほしい、という学校のからのメッセージのようなものを感じます。

でも本当にメッセージまで掲載しちゃうってやっぱり凄いですよね(^^)

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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