学習 連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(18)|SAPIXに通う6年生が夏期講習の最初の4回を絶対に休んではいけない理由

専門家・プロ
2016年7月11日 馬屋原吉博

0

こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

今回のテーマは「夏期講習」です。

夏期講習でいちばん怖いこと

学年を問わず、夏期の学習でいちばん避けたい展開は、とにかくただひたすら問題を解いて勉強した気になって終わることです。

昨今の社会の入試問題は「暗記」だけでは太刀打ちできませんが、覚えるべき知識を「暗記」すらしていないのであれば、そもそも戦わせてももらえません。

したがって、どんなに問題を解いても、夜寝る前に「今日、自分は〇〇を覚えた!」と言えない日々を積み重ねてしまいますと、成績は確実に下がっていきます。

「がんばっている」のに成績が下がる、という悲劇を避けるために、少なくとも社会を勉強した日は、「今日、自分は〇〇を覚えた!」と言ってから寝るようにしてみましょう。

ここさえ押さえておけば、少なくとも社会の学習について、夏期講習が「失敗」に終わることはありません。

6年の夏、何を覚えるべきか

さて、では夏期講習期間中、何を覚えれば良いでしょうか。

本連載の第4回や第11回で詳しく解説しましたが、とにかく優先的に覚えるべきは「地名」と「年号」です。ここがまだならここを優先しましょう。

1学期までの学習で「地名」と「年号」をおおかた頭に入れることができた受験生が夏に集中的に覚えたいのは、主要な「統計(データ)」です。

統計に関する問題、すなわち「表やグラフの問題」は、「覚えて解く」よりも「考えて解く」問題に思えるかもしれませんが、実際はこれも8割方「暗記」で処理する問題なのです。

「入試頻出」の「表やグラフ」については、それぞれ「注目ポイント」というものがあります。

雨温図の問題は「1月の気温」を見るだけで、ある程度答えが絞れてしまうのです。

地理(産業)の問題で、片方の軸が「年」になっているグラフが出たら、まずは「1973年」を探しに行くと決まっているのです。

そして、それこそが、入試頻出の表やグラフの「注目ポイント」を覚えることこそが、本当の意味での「考えさせる問題」(=「初見」の表やグラフに関する問題)を解けるようになるための、ほぼ一つしかない「王道」なのです。

SAPIXの夏はデータバンク!

SAPIXの6年生の夏期講習は、全9回の構成ですが、そのうち冒頭の4回が地理です。

そしてこの4回の授業では、「データバンク」と呼ばれるプリントをもとに、毎回一定の時間が主要な統計の解説に割かれます。

したがって、学校行事や体調不良などで、この授業に出席できない場合は何らかのかたちでフォローを受けた方が良いかもしれません。

ちなみにこの時間は、「先生が板書したこと」ではなく「先生が言ったこと」を必死でメモする必要があり、これが苦手なお子さんにもフォローが必要になります。

本日はここまでとさせていただきます。

次回もお越しいただけますと嬉しく思います。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


■合否を分ける中学受験「社会」の学び方 バックナンバー

※記事の内容は執筆時点のものです

0