学習 連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(17)|7月10日の夜は親子で選挙速報を見よう!

専門家・プロ
2016年6月28日 馬屋原吉博

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こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

今年は3年に1度の参議院選挙の年

今月の22日に参議院選挙の公示が行われました。

塾によって強弱はありますが、今の中学受験生は「選挙制度」についてかなり詳しく学んでいます。

参議院選挙の比例代表選挙で投票用紙に記入するのは政党名「か」氏名である、という部分の理解を問う問題は、難関校の入試問題では定番の問題といえるでしょう。

今年の参院選に関していえば「選挙権年齢の引き下げ」という一大トピックもあります。

担当している生徒には、選挙区選挙で一票の格差を是正するために、鳥取と島根、高知と徳島のそれぞれが「合区」となった、という辺りもきちんと理解した上で入試に臨んで欲しいと思っています。

今年の参議院議員通常選挙の「みどころ」

今年の参議院選挙の「争点」が何か、という点については、なにやらそれ自体が「争点」になっているような印象を受けますので、ここではあくまで、7月10日の夜、親子で選挙速報を見る際、中学受験生がどこに注目して見ると学びを得やすいかという視点に立ってお話しさせていただきます。

やはり、中学受験生たちにいちばん注目して欲しいのは「人数」です。

特に「憲法改正の発議」が可能な「総議員の3分の2以上」というラインに注目しながら選挙速報を見てほしいと、生徒たちには伝えています。

まず、参議院選挙は「3年毎に半数改選」ですので、今回の選挙で改選されるのは定数242名の2分の1、121名ということになります。

参議院の発表によると、3年前の選挙で改選された(つまり、今回改選されない)121名のうち、憲法改正に賛成している政党・会派の議員は約85名だそうです。

憲法改正の発議に必要な、参議院の「総議員の3分の2以上」は「162名以上」です。

したがって、今回改選される121名のうち、162名-85名=77名(約64%)が憲法改正に賛成の人であれば、戦後初の「憲法改正の発議」がなされることになるかもしれないということになります。

実際には少し数字がずれる可能性もありますが、この辺りの数字に注目して投開票を見守ると、ただ漫然とニュースを見る以上に学びが得られるかもしれません。

実はお子さん、もうかなり「政治」に詳しいです

念のためですが、私自身が「憲法改正」が争点になるだろうとか、すべきだと申し上げるつもりは一切ありません。

あくまで、学びを得るために注目できるひとつの「視点」です。

7月10日の夜にお子さんと一緒に選挙速報を見ていると、当選者や首相の口から、「社会保障」や「消費税増税」、「アベノミクス」といった言葉が発せられるでしょう。「待機児童」や「集団的自衛権」、そして「憲法改正」について語る候補者、当選者も少なくないかもしれません。

ここまで公民を学んできた受験生にとっては、理解の深さに差こそあれ、それらのほとんどが「聞いたことのある言葉」です。

親子で選挙速報を見る中で、お子さんが何かしらのキーワードに反応していたら、ぜひ、その反応に前向きな言葉で応えてあげていただきたいと思います。

それはお父さま、お母さまにしかできない仕事です。

次回の掲載予定日は7月11日、いよいよ夏期講習が間近に迫ってきますね。

またお越しいただけますと嬉しく思います。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

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