連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(22)|過去問はいつ、どこから始めて、何年分解くのか?

専門家・プロ
2016年9月13日 馬屋原吉博

こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

過去問演習の最大の目的は「受験校の問題傾向を知り、対応できるようにすること」です。

それを踏まえて、過去問演習について寄せられるいくつかのお悩みに具体的にお答えしていきます。

1:いつから始めるのが良いですか?

社会の場合は、ある程度知識が頭に入った状態にしてから始めるべきです。実際に解いてみて、解けない問題のほうが解ける問題より多い状態なら、「傾向を知る」前に、まだまだやるべきことがあります。

SAPIX生の場合、7月組分けや8月マンスリーは範囲も広く、入試問題顔負けの難しさです。夏にしっかりとデータバンクと年号を頭に叩き込み、8月マンスリーで偏差値が50を上回っていれば、すぐに過去問演習を始めても得るものはあるでしょう。

逆に、「直前期の追い込み」が前提になっている塾に通っていて、まとめ教材に取り組むのがそもそも9月から、というような場合は、過去問演習は11月あたりから始めるのが良いでしょう。少なくとも「メモリーチェック」や「四科のまとめ」といったまとめ教材を、最低でも1周はしてからにしましょう。

2:どの学校からやるのが良いですか?

問題自体が平易な学校から始めましょう。ラ・サールのように時事問題が多い学校や、暁星のように平均点が非常に低い学校は、あとに回した方が良いかもしれません。

ただ、9月から各大手塾が開催する「学校別オープン」の受験を考えていらっしゃる場合は、早いうちに、その学校別オープンの対象となる学校の問題に2、3回分取り組み、傾向を知り、対策をしておいた方が良いでしょう。

麻布や武蔵といった、問題が特殊な学校のオープンを受ける場合は特にそうです。女子学院も問題の多さを知ったうえで覚悟して臨まないと、大幅な時間不足により悲惨な偏差値が出る場合があります。

また、海城に関しては、記述問題が多く、いきなり書けと言われても書けない可能性があります。塾の社会のテストが解けているからといって解ける問題ではないので、ご家庭主導で過去問演習に入られるときは、一回、事前に保護者の方が解いてみて、そのうえで、そのまま解かせてもよいものかどうか、あるいは解かせる前に何らかのサポートをした方が良いか、ご検討された方が良いかと思います。

3:何年分やるのが良いですか?

大原則は、「合格に必要な点を、安定してとれるようになるまで」です。

ただ、社会には毎年更新される「統計」と「時事」に関する問題があるため、ほかの科目とは少々事情が異なります。

時事や統計に関する問題が多い学校でしたら、2012年12月の政権交代で社会全体が大きく変わっていますので、3年分くらいがひとつの目安になるでしょう。ただ、3年分やっても自信が持てない場合は、時事や統計に関する問題を事前にカットした上で、さらに古いものに挑戦することもできます。

麻布や駒東、海城といった、ここ直近の時事ではなく、十年スパンの大きな時代の流れを問うてくるような学校の問題は10年分以上やりこむ価値があります。

筑駒や開成、桜陰や女子学院などに挑戦される場合は、「○年前の日本はこんな感じだったんだ!」というのを学んでもらうために、やはり10年分以上取り組むことがあります。

受験生が一人でやるのは大変な作業ですので、「社会で何点とる必要があるのか」といった科目バランスや、「一緒に勉強してくれる人がいるか」といったサポート体制と相談して決めていきましょう。

次回は、主に「直しの仕方」についてお話させていただきます。

また、お越しいただければうれしく思います。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

馬屋原吉博
この記事の著者
馬屋原吉博 専門家・プロ

中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1副代表・社会科教務主任
中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

うまやはら よしひろ大手予備校・進学塾で、大学受験・高校受験・中学受験の指導経験を積み、現在は完全1対1・常時保護者の見学可、という環境で中学受験指導に専念している。必死に覚えた膨大な知識で混乱している生徒の頭の中を整理し、テストで使える状態にする指導が好評。バラバラだった知識同士がつながりを持ち始め、みるみる立体的になっていく授業は、生徒はもちろん、保護者も楽しめると絶大な支持を得ている。著書に『頭がよくなる 謎解き 社会ドリル』(かんき出版)、『CD2枚で古代から現代まで 聞くだけで一気にわかる日本史』(アスコム社)、『中学受験 見るだけでわかる社会のツボ』(青春出版社)などがある。

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