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随筆文とは? 子供の苦手意識をなくす簡単な読み方のコツ3つ

2018年6月13日 天海ハルカ

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物語文や説明文と違って随筆文は内容のイメージがつきづらく、苦手とする子供は少なくありません。そもそも随筆文とは? どう読めばいいの? この記事では随筆文を読みやすくするための簡単なコツを3つ紹介します。

随筆文とは?

随筆文は「エッセイ」とも呼ばれ、筆者の体験が書かれているのが特徴です。過去の経験やエピソードから、筆者の考えたこと、感じたことなどを書いた文章です。

とはいえ説明文や論説文にも筆者の体験が書かれていることがあるため、子供にとっては随筆文の定義もあいまいに感じるようです。

「枕草子」も随筆文

随筆文のイメージが難しい場合、「枕草子」を引き合いに出すとピンとくる子もいます。

枕草子は平安時代に清少納言が書いたと伝えられている随筆文です。範囲はそれぞれですが、多くの小学校で暗唱します。それぞれの季節で見たもの(体験)と、感じたことをまとめていますよね。

たとえば春の部分では、山ぎわや雲を見て春はそれがよいと述べています。まさに筆者の体験と感じたことですね。

ちびまる子ちゃんの作者である、さくらももこさんの「もものかんづめ」も有名なエッセイ(随筆)です。随筆文と聞くとかたいイメージがありますが、実は身近なものなんですよ。

随筆文に書かれている、筆者の「体験」と「感じたこと」を整理

随筆文には筆者の「体験」と、そこから「感じたこと」が書かれています。この2つに注目して読めば、文章全体で言いたいことが見えてきます。

筆者の体験を見つけたら、印をつけておきましょう。線を引くよりは段落ごと囲ったほうが、後で見返したときにすぐわかります。

体験を見つけたら、そこから筆者が感じたことを探します。たとえば「はじめてアメリカへ行った」という体験なら、そこで学んだことや日本との違いなどが書かれているでしょう。

随筆文では、筆者の体験と感じたことをきっちり分けて整理しながら読むことが重要です。

随筆文に書かれる、筆者の体験が複数あるとき

随筆文に書かれる体験はひとつとは限りません。

体験が複数あったとしても、感じたことは同じということが多いです。ひとつの感じたことを伝えるために、いくつもの体験を挙げています。

複数の体験が出てきたときは、共通点を考えましょう。その共通点こそが文章の中心であり、筆者の伝えたいことです。

随筆文は、筆者の特徴に注目

随筆文の主人公は筆者です。重要人物として筆者の家族や友人が中心に書かれることはありますが、やっぱり主人公は筆者です。筆者が何を体験してどう感じたかがポイントです。

感じたことを正確に読み取るには、筆者の性格や人間関係に注意しましょう。物事を素直に受け取らないタイプの筆者は、よく見る光景に対してもちょっと変わった感じ方をします。

無口で厳格な父との関係や、自由奔放な友人とのエピソードなど、人との交流を通して何かに気づくという構成は随筆文のよくあるパターンです。

文章の理解に主人公は欠かせません。筆者の特徴は注意して読みましょう。

随筆文を読むときは「自分」を封印

小学生が読解で間違える原因の一つは、自分自身に置き換えてしまうことです。「私はこう思う!」「僕ならこんなことはしない……」といった思い込みが邪魔をして、筆者が感じたことを読み取れないのです。

随筆文には筆者の体験が書かれています。ときには筆者と同じ体験をしたことがある、ということもあるでしょう。だとしても自分の体験や感じたことは一旦忘れ、まっさらな気持ちで読まなければいけません。

問われるのは文章中にあることだけです。筆者と自分を重ねないということを常に意識しましょう。

まとめ

試験で出題される文章は、「これは物語文です」や「次の随筆文を読んで」などと言及されることはほとんどありません。随筆文だと気づかないまま読み進めることも多くあります。

文章中に筆者の存在を感じたら、体験と筆者の感じたことを意識しましょう。体験が複数あれば共通点を考えます。たとえ随筆文でなかったとしても、内容理解の役には立ちます。

・筆者の「体験」と「感じたこと」を整理する
・筆者の特徴に注目する
・読むときは「自分」を封印する

随筆文は難しいと思われがちですが、3つのコツを意識すれば得意分野にすることもできます。ぜひ試してみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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