連載 合否を分ける中学受験「社会」の学び方

合否を分ける中学受験「社会」の学び方(25)|東京観光のススメ!? 開成中 平成29年度「社会」

専門家・プロ
2017年2月07日 馬屋原吉博

こんにちは。中学受験専門の個別指導教室「SS-1」教務主任の馬屋原です。

本年度の入試の結果がほぼ出揃いましたので、今年度の有名校の社会の入試問題の傾向と対策について、少しずつコメントさせていただきたいと思います。

第1弾は「開成中学」です。

平成10年代の「クイズ大会」が帰ってきた!?

H29年度の合格者平均点は48.3点、受験者平均点は42.2点でした。(70点満点)

H28年度の合格者平均点が51.0点、H27年度の合格者平均点が62.0点です。

平成20年代は、全体的に合格者平均点が60点を超える「易化」傾向にありましたが、昨年一段階「難化」し、今年は久々に合格者平均点が50点を割りました。

開成受験生の、しかも合格した子たちの平均が約7割ですので、「超難化」と言って良いかと思います。

「基本問題」は3割強!

まず、開成受験生でなくても、きちんと勉強している中学受験生なら答えられないとマズい「基本問題」が、約26点分(約37%)ありました。

次に、開成に向けた勉強をしていた子なら正解させた子が多かっただろうと思われる問題が、約20点分(約28%)ありました。

具体的には「天守閣」「明暦の大火」「強訴」「聖明王」「民泊」といった言葉を答えさせる問題です。

何が厳しいって、これを足しても合格者平均点に若干届かないところです。

残り24点分は、おそらく中学受験向けの塾では習わない問題、もしくは開成お得意の「東京」問題です。

具体的には「神田明神」「不忍池」「増上寺」「天海」「小袖」「うだつ」といったキーワードを答えさせる問題で、この類の問題が全体の3割以上を占めています。2月1日当日、受験生にかかるプレッシャーはかなり大きかったと思われます。

肝心の対策は?

多くの難関校が徐々に「論述」式の問題を増やしていくなか、あくまで「知識」の量で勝負が決まるのが開成の社会の特徴です。この傾向は今年も変わりませんでした。

知らなければどうにもならない問題が多いですので、幼いころから、「これだけ覚えておけば大丈夫」という枠にはめられず、どんなにムダと思える知識でも吸収していくことを是とする環境に置かれた子が強いです。

親からすると腹も立ちますが、「勉強しなさい」と怒られながら、どこ吹く風で図鑑や新聞を読み漁っているような子に有利な入試です。

そして肝心の「東京問題対策」です。

まず、SAPIXのSSや早稲アカのNNなど、大手塾の開成対策講座が準備している東京問題をやり込むことです。ただ、こういったメニューが本格的に始まるのは小6の9月以降です。

もっと早い段階でできることとして、東京都教育委員会発行の「江戸から東京へ」(紀伊國屋書店新宿本店や、東京都教育委員会のHPで入手できます)を読んだり、江戸東京博物館や下町風俗資料館などの定番博物館に行ったりすることがあげられます。

そして、最高の、もっとも贅沢な「対策」は、丸の内や上野など、東京の街並みを、親子で地図を片手に歩いてみることでしょう。日本橋周遊クルーズなどもおすすめですよ。

※この記事は「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです


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※記事の内容は執筆時点のものです

馬屋原吉博
この記事の著者
馬屋原吉博 専門家・プロ

中学受験専門のプロ個別指導教室SS-1副代表・社会科教務主任
中学受験情報局「かしこい塾の使い方」主任相談員

うまやはら よしひろ大手予備校・進学塾で、大学受験・高校受験・中学受験の指導経験を積み、現在は完全1対1・常時保護者の見学可、という環境で中学受験指導に専念している。必死に覚えた膨大な知識で混乱している生徒の頭の中を整理し、テストで使える状態にする指導が好評。バラバラだった知識同士がつながりを持ち始め、みるみる立体的になっていく授業は、生徒はもちろん、保護者も楽しめると絶大な支持を得ている。著書に『頭がよくなる 謎解き 社会ドリル』(かんき出版)、『CD2枚で古代から現代まで 聞くだけで一気にわかる日本史』(アスコム社)、『中学受験 見るだけでわかる社会のツボ』(青春出版社)などがある。

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