連載 集中力アップの秘策|ドクター吉田

入試の合否は姿勢で決まる! 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の集中力アップの秘策(1)


0

親はお子さんが試験を受けるときの姿勢を必ずチェックしてください。志望校に合格できるかどうか、姿勢が鍵を握っていることが、最新の研究で明らかになったのです。

スーパーマンのポーズが集中力を高める

ハーバード大学(米国)のグループが姿勢による人体への影響を調べたところ、あるポーズを取れば、テストステロンと呼ばれるホルモンが増えるため、脳機能が高まることを突き止めたのです。

そのポーズとは、両足の間隔を少し広めにとって立ち上がり、胸を張って両手を腰に当てるというもの。そうです。これは、スーパーマンが仁王立ちするときのポーズそのものです。

これによってテストステロンが増加し、脳に作用することで意欲や闘争心を高めてくれるのです。さらに集中力もアップするので、試験で高得点を叩き出すのに大きな力を発揮してくれるというわけです。

人類は、20万年の間、ライバル同士が戦い合うとき、お互いに胸を張って自分の力を誇示していました。同時に、戦いに備え、ポーズに連動して脳機能を高める仕組みも発達したのです。

受験も、ライバル同士が勝敗を競うという点では戦いそのものです。ぜひ、入試の直前にスーパーマンのポーズをして集中力をアップさせましょう。たった2分間、行っただけでも効果が出るという実験データが得られています。

試験中は姿勢を正すだけでオーケー

ただし、入試の真っ最中に立ち上がってスーパーマンのポーズをしたら、もちろん、試験監督につまみ出されてしまいます。でも、ご心配なく。座った状態でも、背筋を伸ばし、胸を張るだけで、同様の効果が表れることがわかっています。これなら、誰でも試験中に簡単に実践できます。

実際、受験の集中力アップに取り組む受験医学研究所で生徒に姿勢を正す指導を行ったところ、ケアレスミスが減る、ド忘れがなくなる、応用問題が解けるようになるといった嬉しい効果がすぐに現れました。

実は、多くの受験生が自分では気づいていませんが、試験中に緊張するため、背を丸め、問題用紙に目を近づけて解いているのです。その結果、集中力が低下し、無用の失点をしてしまっているわけです。試験を受けるときの姿勢を、今すぐ直してくださいね。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


■バックナンバー

▼脳を育てる勉強法

▼集中力アップの秘策

※記事の内容は執筆時点のものです

0