連載 集中力アップの秘策|ドクター吉田

脳のサーカディアンリズムが集中力を支配する! 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の集中力アップの秘策(4)

2016年1月22日 中学受験ナビ 編集部

人体は、サーカディアンリズムと呼ばれる1日24時間のリズムに支配されています。これに着目して病気の予防や治療を行うのが「時間医学」です。最近、脳の認知機能についても時間医学の研究が進み、集中力に大きな影響を及ぼしていることが明らかになりました。

休日の朝寝坊が集中力の低下を招く

受験生は、ウイークデーには睡眠不足で、その分、休日になると朝寝坊をしがちです。そんなときは、たっぷり睡眠が取れているはずなのに、いざ勉強を始めると集中力が上がらず、ちっとも頭に入らなかった苦い経験が、どなたにもあるはずです。その原因は、サーカディアンリズムが乱れてしまい、オンとオフの切り替えができなくなることにあります。

夜は深い睡眠状態に導入し、脳をしっかりと休ませる。朝になると覚醒して、脳機能を活発に働かせる。脳は、毎日、こうしたサーカディアンリズムを刻んでいます。ところが、そのタイミングが乱れると、夜は睡眠が浅くなり、日中は集中力が低下してしまうのです。

朝起きる時間を一定にすることがポイント

最も大切なのは、朝起きる時間を一定にすることです。脳内にあるサーカディアンリズムの中枢は、朝起きた瞬間から1日のリズムを刻むように設計されています。だから、起床する時刻が変動するのは、脳機能にとって負担が大きいのです。

一方、就寝する時刻が変動しても、それほど大きなダメージは受けません。実際、私が代表を務める受験医学研究所で、朝寝坊ではなく、いつもより早い時間から寝ることで睡眠不足を解消するよう指導したところ、90%の受験生で集中力が向上するという結果が得られています。

ただし、毎朝、同じ時刻に起きるだけでは、まだ十分とはいえません。サーカディアンリズムをしっかりと働かせるには、起床した後、できるだけ早く身体を動かす必要があります。

小学6年の受験生を対象にした実験では、体操を5分間しただけで、集中力を示すCPT(持続的注意集中力検査)のスコアが22%も改善しています。さらに朝食をしっかり噛んで食べる、家から外に出る、声を出す…といったことも、サーカディアンリズムの調整に役立ちます。こうした生活習慣を実践し、志望校への合格をつかみましょう。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


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