連載 集中力アップの秘策|ドクター吉田

うつ病になる子供が増加中! 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の集中力アップの秘策(12)

2016年5月13日 中学受験ナビ 編集部

「うつ病なんて、うちの子供には関係ない」

あなたはそう思っていませんか? うつ病を専門に扱う心療内科医として、私は大きな声で「喝!」と言いたいです。

うつ病はどんな子にも起こりうる病気です。しかも今、その数が増加しているのです。にもかかわらず、多くの親がそれに気づかず、治療が遅れて取り返しの付かないことになるケースも跡を絶ちません。勉強中に集中力が極端に低下した場合、念のため、うつ病の可能性も頭に入れておいてほしいのです。

大人だけじゃない!子供のうつ病が増加している

うつ病については、日本国内でもさまざまな調査が行われており、小学生の有病率は0.5%から2.5%というデータが発表されています。これは、ある瞬間にうつ病になっている子供の割合を示した数字で、すでに治った場合は含まれていません。世間の常識より、はるかに高い比率ではないでしょうか。

一方、中学生や高校生では、うつ病の有病率はもっと高く、2.0%から8.0%です。これは大人とほぼ同じ水準です。うつ病は子供には無縁の病気だと思っている人は、今すぐ認識を変えていただきたいです。

子供のうつ症状は心のエネルギーの爆発!? 見落とされがちな子供のうつ症状

「でも、実感として、うつ病の大人は多いのに、子供は少ない気がする……」

そう感じている人は多いはずです。その理由は、子供のうつ病の場合、大人のうつ病とは症状の表れ方が異なるので、見落とされることが多いためです。これこそが、子供のうつ病が抱える最大の落とし穴です。

イライラして落ち着かない。大きな声でわめき散らす。暴力をふるうようになる。これらはすべて、子供のうつ病によく見られる徴候です。いずれも、世間の人が思ううつ病とは、ずいぶん印象が違うと思います。

うつ病というと、ガックリと肩を落とし「私が悪いのだ」と自責の念に苦しむ……。そんなイメージが一般的です。しかし、これは大人に限った典型例で、いわば心のエネルギーが枯渇するため起こります。

一方、子供の場合は、もともと心のエネルギーが潤沢で、それがうまくコントロールできなくなるため、イライラしたり暴れたりするわけです。勉強中に集中力が低下するのも、うつ病になったら必ず起きることです。ぜひ見逃さないように心がけてください。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


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