連載 集中力アップの秘策|ドクター吉田

噛んで噛んで学力アップ!? 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の集中力アップの秘策(11)

2016年4月28日 中学受験ナビ 編集部

「よく噛むことで脳機能を高められる」

「受験生は、食事中、頭をよくする手段だと思って、よく噛むように心がけてください」

私はクリニックを訪れる子供たちに対して、このようなアドバイスをしています。

実は、噛むことが脳機能に与える影響については世界中で研究が行われ、注目すべき結果が次々と発表されているのです。

たとえばアメリカで行われた研究では、学生がガムを噛むことによって数学の成績がアップしたという結果が出ています。また、食事中、よく噛むと、勉強の集中力が高まるというデータも出ています。

いったい、噛むことがどうして脳にそのような良い影響を及ぼすのでしょうか。すでに以下の3つの効果が脳内で生じることがわかっています。

噛む効果1:ヒスタミンが脳を目覚めさせる

噛むためにアゴを開閉すると、その刺激が伝わって、脳の中でヒスタミンという成分が増加します。ヒスタミンは花粉症の原因となる物質で、鼻や目の粘膜で増えると炎症を起こします。

しかし、脳内ではまったく役割が異なり、よりクリアーに目覚めさせてくれる働きをします。だから、勉強に対する集中力が高まり、問題を解く能力もアップしてくれるわけです。

噛む効果2:脳の血液循環が良くなる

アゴの付け根の部分に脳の血液循環を促すポンプが存在します。噛むためにアゴを開閉すると、そのたびにこのポンプが作動し、脳の血液循環がよくなってくれるのです。

新鮮な血液とともに酸素やグルコースが脳の神経細胞に供給されるので、機能が高まります。

噛む効果3:不快なストレスがなくなる

噛むと脳は食事をとっていることを明確に認識できます。食事をとれば、当面、餓死することはありません。このため、脳は安心し、ストレスを緩和させるのです。

 

以上のように、しっかり噛むというのは、脳に良いことがいっぱいあります。にもかかわらず、現代っ子はやわらかいものを食べるようになったため、噛む回数が激減。脳機能にも悪影響を及ぼしています。

できれば、飲み込むまでに20回は噛むようにすべきです。でも、忙しい受験生は、ゆっくり噛む時間が取れない現実もあります。そんな場合は、ガムを噛むことで補いましょう。それでも、同様の効果が得られることが確認されています。

ちなみに、アメリカのメジャーリーガーが試合中にガムを噛むのも、集中力を高めることが目的です。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


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