連載 脳を育てる勉強法|ドクター吉田

開成中学の合否をわけた夏休みの体験! 受験医学のカリスマ、ドクター吉田の脳を育てる勉強法(4)

2016年8月05日 中学受験ナビ 編集部

将来子供を有名中学に合格させたいと思ったら、夏休みにぜひとも子供と一緒にご家族でやっていただきたいことがあります。それは、星座や月の観測です。

ただし、「きれいだね」と言って夜空を眺めているだけではダメ。星座盤に加え、地球儀も手元に置き、天体が動く仕組みを理解させながら観測するのです。

本物の夜空での学習が根本理解につながる

星座や月の満ち欠けについては、私が受験した40年前から今日に至るまで、中学受験には、驚くほど頻繁に出題されています。灘中学に在学しているとき、その理由を担任の先生に聞いたことがあるのですが、現実の自然現象を理論的に解き明かす能力をみるのに最適だからということでした。こうした能力が高ければ、6年後の大学受験のとき、物理・化学・生物・数学など、理系科目の全体で高得点が取れるようになるので、有名中学では盛んに出題するのです。

入試の対策として最も大事なのは、机の上の勉強よりも先に本物の夜空を観測させることです。子供は、脳の前頭前野が発達途上にあるため、理屈だけを詰め込むのが極端に苦手です。一方、現実を先に目にすれば、それに関する理論の習得も無理なくできます。だからこそ天体の動きを学ばせるには、先に夜空を見せるべきなのです。

そのとき必須のアイテムとなるのが地球儀です。恒星の動きは、地球の自転と公転で生じるものです。それを地球儀で試しながら夜空を見上げたら、子供は根本的なところから原理を理解できます。月の満ち欠けもピンポン球を月に見立て、地球儀の回りを周回させながら本物の月を見上げたら、無理なく本質的な理解ができます。

実践したか、しないかが合否の分かれ道

私が主宰を務める「中学受験・お母さん塾」では10年前からこうした対策の指導をしていますが、実際にご家庭で実践したか、しないかで、合否の明暗が別れたことがあります。

開成中学の理科の入試問題で、「東経140度を想定して作った星座盤を東経135度で使えるものに作り変えなさい」という問題が出題されました。地球儀とともに夜空を眺めていた子供は数秒で正解がわかり、結果は合格。一方、机の上だけの受験勉強に終始した子供は、あれこれ理屈で考えているうちに頭が混乱し、間違ってしまって不合格でした。

ぜひ、今晩、地球儀を片手にお子さんと夜空を観測してください。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


吉田たかよし(医学博士・心療内科医師)

灘中学、東京大学、国家公務員上級経済職試験、医師国家試験などの合格体験を元に、日本で初となる受験生専門の心療内科、本郷赤門前クリニックの院長を務める。カウンセリングと最新の磁気刺激治療を組み合わせ、「受験うつ」から早期回復を図るプログラムを開発。脳科学と医学を応用した受験指導にも取り組む。『今どきの大人を動かす「ほめ方」のコツ29』(文饗社)など著書60冊を上梓。

本郷赤門前クリニック
https://www.akamon-clinic.com/


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