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地球温暖化の原因について~環境問題における二酸化炭素の要点まとめ

2018年8月31日 東荘一

酸素と二酸化炭素は中学受験の理科における重要な気体で、その理由はともに生物が生きるために必須な気体だからです。二酸化炭素がなければ植物は光合成をおこなうことができませんから、酸素を生み出すこともできません。

いっぽう二酸化炭素は、地球温暖化の原因としても着目されるようになりました。1760年代に始まるイギリスの産業革命以降、二酸化炭素濃度は急激に増加したといわれます。気候の安定化に向けて、各国は温室効果ガスの排出量を削減しようと模索しているところです。

地球温暖化の影響は環境・生態系・社会・経済など広範囲におよぶので、受験対策として的を絞りにくいものですが、受験で必須となる二酸化炭素の側面としてとらえれば印象も増すのではないでしょうか。今回は、二酸化炭素を中心にして環境問題の要点を整理します。

地球温暖化の原因と影響~環境問題における3つのポイント

地球温暖化の原因として、「温室効果ガス」や「シー・オー・ツー」といった言葉は常識のように使われるようになりましたが、当たり前のことほど本当の意味を問われると答えられないものです。

・そもそも温室効果ガスとは何なのか
・その中でなぜ二酸化炭素が特に着目されるのか
・地球温暖化はどのような影響を地球におよぼすのか

といった基本的な部分を整理します。

すべて基本事項ばかりですから、この機会にじっくりと理解して記憶にとどめておいてください。

地球温暖化の原因と影響~温室効果ガスとは?

地球は大気に包まれ、大気中には温室効果ガスが含まれています。太陽光によってあたためられた地球の表面からは、宇宙の外側に向かって熱(赤外線)が放出されます。大気中の温室効果ガスがなければ、熱は外側に向けて出ていくだけで、地球の表面温度は下がっていきます。

温室効果ガスは熱(赤外線)を吸収する性質を持ち、熱(赤外線)を地球に戻すことによって地球の冷却を防ぐ効果があります。まさに温室の効果をはたしているのです。

たとえば月には大気がありませんから、温室の効果もなく、表面温度の平均はマイナス23度といわれています。温室効果ガスがなければ、地球も月と同じように冷たい世界となるのでしょうが、温室効果によって地球の表面温度は約15度をたもっています。

温室効果ガスが増えて温室効果が高まれば地球の表面温度も高くなるし、逆に温室効果ガスが減って温室効果が弱まれば表面温度は低くなっていきます。現在は、前者の「地球温暖化」が問題になっています。

地球温暖化の原因と影響~二酸化炭素濃度の変化

気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2014年に発表した「第5次評価報告書」によれば、人類の活動に伴う温室効果ガスの増加量は、

二酸化炭素(化石燃料の大量消費):65.2%
二酸化炭素(森林伐採など):10.8%
メタン:15.8%
一酸化二窒素:6.2%
フロンなど:2.0%

となっています。圧倒的に二酸化炭素増加量の多いことがわかります。このことから、地球温暖化に与える影響の最も大きい二酸化炭素が着目されるようになりました。

産業革命以降、二酸化炭素濃度は増え続けていますが、上図に示したように増加と減少を毎年繰り返していることがわかります。これは植物の光合成の影響によるもので、光合成が活発な夏(図のY)に二酸化炭素濃度は下がり、冬(図のX)の二酸化炭素濃度は逆に上がります。

地球温暖化の原因と影響~温暖化による影響

地球温暖化の影響は広範囲に及びますが、そのうちの1つが「海水面の上昇」です。その原因として最も大きいのは「熱による海水の膨張」で、次は「南極・グリーンランド・氷河の氷が溶ける」ことです。

海水面の上昇は、海抜以下の地域を持つ国々(イタリアのベネチアなど)や海抜の低い島国(ツバル、モルディブなど)ではすでに差し迫った問題となっています。

日本においても、例えば東京都23区の港湾部には海抜ゼロメートル地帯(満潮時の平均海水面よりも低い土地)が広がるため、地球温暖化による海水面上昇は重要な課題となっています。

まとめ

◎ 温室効果ガスは、地球から宇宙空間に向けて放出される熱(赤外線)を吸収する性質があります。
◎ 温室効果ガスのうち人類の活動によって最も多く増加するのは二酸化炭素で、おもな原因は化石燃料の大量消費と森林の伐採です。
◎ 二酸化炭素濃度は植物の光合成が活発化する夏に下がり、冬には上がります。
◎ 地球温暖化による海水面上昇の、最も大きな原因は「熱による海水の膨張」で、次は「南極・グリーンランド・氷河の氷が溶ける」ことです。

二酸化炭素は中学受験において、最も重要な気体の1つです。その二酸化炭素の1側面として環境問題を理解すれば、印象に残りやすいのではないかと思います。掲載したのは基本事項ばかりですから、しっかりと把握してください。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

京都大学工学部、東京大学大学院(工学)、世界最大の外資系コンサルティング会社の共同経営者(パートナー)を経て、教育業務を開始。業界最大手の中学受験塾で、小学3~6年生3000名以上の理科を担当し、習熟度に応じて幅広い学習指導を行いました。学習方法や各テーマの解説をおこなう、小学生向けサイト(偏差値アップの勉強法)を運営しています。以下のリンクからご覧ください。

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