学習 国語

国語力はすべての教科の基礎。2020年大学改革でますます国語力が重要なカギに

2018年9月14日 花里京子

小学校で英語が必修となり、社会もグローバル化。しかし、「これからは英語だ!」と早合点してはいけません。英語も重要ですが、その前にまずは「国語」です。国語はすべての教科の基本で、しかも2020年大学入試改革でもポイントとなる、「思考力」「記述力」「表現力」「プレゼン力」を養うための重要な力。中学受験でも真っ先に養いたい力なのです。

いまなぜ国語力が重要とされているのか

スマホやSNSの発達で、日本人は言葉と接する機会が多くなったように思われます。しかし、実際は本を読む若者が減り、目を見て相手の気持ちを察しながら話す機会も減り、書けない漢字が増えていると感じている人が増えているなど、国語力は低下しているようです。

そんな国語力低下に、文科省もHPで「文化の基盤である国語の重要性はいつの時代においても変わるものではない。…国語力の向上に不断の努力を重ねることは時代を超えて大切なことである」、そして、「人々の生活を取り巻く環境がこれまで以上に、急速に変化していくことが予想される『これからの時代』を考えるとき、国語力の重要性について改めて認識する必要がある。…」と警鐘を鳴らしています。

英語必修となるのになぜ

「英語教育が充実している」とアピールする中高一貫校は多いです。しかし、なかには「英語も重要だが、まずは国語。国語も重視しています」と語る先生もいます。その理由として「これから必要となる『考える力』は母国語である日本語で培われるからです」と言います。

たとえば、中学では国語で自分の意見を持つことを身につけ、高校に入ったらその考えや意見を英語にし、社会に出たら他人に向けて発表することが必要になりますね。英語でのプレゼンテーションの基礎は国語にあるのです。

さらに、読解力がなければ、教科書に書いてある内容も出題も理解できません。つまり、国語はすべての教科の基礎なのです。また、考えることも意見を持つことも発表することも、すべて国語です。つまり、国語がなければ他の教科も学ぶことができないのです。

中学受験に読解力が必要なワケ

中学受験の問題文は長い文章で書かれ、ときには段落ごとに分かれていることもあります。問題を解く前に、何を問われているのかを知らなければなりません。つまり、問題文を正しく理解する力(=読解力)が必要になるのです。

中学受験に必要な国語力とは

まず、基本となるのは「語彙力」です。語彙力がなければ、文章を読んでいても意味がわからずそれまでになってしまいます。語彙力を身につけることで、「読解力」が身につくのです。

また、中学受験では国語に限らず記述式の問題があります。国語では「書いてあることを要約する」「登場人物の気持ちを自分の言葉で表してみる」といった問題が記述式で出題されます。

国語力のつけ方

算数や理科、社会と違って、意外に難しいのが、国語の学習法です。国語力は日常生活のなかで身につくもの。小さな頃から「本に親しむ」「コミュニケーションを活発に行う」ことを心がけたいものです。

王道は、活字に親しむことでしょう。就学前であれば、本の読み聞かせなどで本に親しむ環境をつくるようにします。また就学後は、物語や評論に限らず本人が「読みたい」というものを尊重し、活字に親しむ機会を増やします。

さらに、子供同士、親子間だけでなく、祖父母や近所の人など世代も立場も異なる多様な人とのコミュニケーションも国語力を培います。

本やコミュニケーションなどで得られるのは語彙力だけではありません。感性や日本文化、伝統、考える力など、人間(日本人)として大切なものを育んでくれるでしょう。

塾のなかには国語に強い塾や作文教室などもあります。そういった塾を選んで通わせるのもよいでしょう。

2020年大学入試を見据えての国語力

2020年に大学入試改革が行われ、これまでの「センター試験」から「共通テスト」へと変わります。「共通テスト」では「思考力」「判断力」「表現力」を重視する傾向が強くなり、センター試験にはなかった記述問題も出題されることになります。

中学入試でも2020年からの大学入試を見据えて、記述式の問題を出す傾向が強まっているようです。

作文や記述式問題がメインの中高一貫校も

もともと難関校では、国語はもちろん他の教科でも記述式の問題が多くありました。しかし近年、その流れは中堅校にまで広がっているようです。

女子聖学院(東京)では、2017年から作文や聞き取りテスト、日本語による面接など日本語を重視した「日本語表現力入試」を行っています。作文では3つの単語をすべて使って300字から400字の話を作ることが課題になっており、「独創性」も評価の対象としているとのことです。

また、公立の中高一貫校に多いのが、一つの文章を読ませて自分の意見や考えを規定された文字数に収めて書くという出題です。私立でも、本庄東高等学校附属中学校(埼玉)が2018年入試から「総合」という入試科目を設け、自分の考えをまとめる問題や問題解決能力をみる論述問題を出題しています。

記述式をメインに行う学校は今後も増えていくかもしれません。

おわりに

国語力は中学受験だけでなく、その後の大学入試、社会人になってからも必要な力です。とくに「思考力」「判断力」「表現力」は国語力がなければ身につかない力だといえるでしょう。中高一貫校では、2020年の大学入試改革を前に、国語力を問う記述式問題を出題しています。

また、今後もこのような傾向は増えていくものと思われます。国語力はノウハウや技術を学べば、すぐに身につくというものでもありません。また、国語力=心を育むものでもあります。日頃から会話などコミュニケーションを大切にしたいものです。

※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者

ライター・編集者。中学受験情報関連の雑誌などで取材・執筆を行う。首都圏の中高一貫校を100校以上取材。現在、関心があるのは2020年大学入試改革で、中高一貫校の対策に注目している。