連載 中学受験のイロハ 鳥居りんこ

違う色の花として置かれてしまったら|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(7)

専門家・プロ
2016年7月21日 鳥居りんこ

第6回でウチの娘が通った中高一貫女子校の話をしました。

娘がその学校の制服に憧れたということが、中学受験を頑張る一番の原動力になったとは思うのですが、親は当然、制服だけでは決められませんので、実際に学校見学に行っております。

学校にとても満足している母たちに話を聞くと、学校訪問の最中で、必ず「ここだ!」という感触を持っていることがわかります。

学校選びは直観が大切

母が直感的に「この学校はウチの子に合う!」と確信できる瞬間が来るのです。

「中学受験は結婚と同じ」と主張しているのはアタクシですが、例えばお見合いで会った瞬間に「生理的に無理~~」っていう場合もあるでしょうし、逆もあるということに似ていると思います。

アタクシの場合、校内に一歩、入った途端「ああ、ここだったか!」と感じたことを覚えております。

あとは、その直感が正しいのかを検証するために、学校側の説明を聞いたり、評判をリサーチしてみたり、娘の性格を熟知する母友にその学校に行ってもらい、忌憚ない意見を教えてもらったりというような補強活動をしておりました。

今後、触れていこうと思いますが、学校を選ぶときに「わが子が学校から愛されるか?」という観点で見ることはとても大事です。

学校が「あなた、良い子ね」って心の底から思ってくれる学校があなたのお子さんが伸びる学校なのです。

娘の話に戻りますが、第6回で書いたとおり、娘は決して模範的な生徒ではありませんでした。しかし、娘が通った学校はそういう娘でも認めて、さらに伸びるためのチャンスを、たくさん提供してくれたと思っています。

娘がデザインに興味があるという話も第6回でしましたが、そこを先生方が汲んでくださり、学園祭などでのデザイン系の仕事などは自由にやらせていただけたなぁと思い出します。その面でも自己肯定感が伸びていったように感じています。

学校選択を誤ると、子供は自分の人生を生きれなくなってしまう

話は変わりますが、娘と同じように幼いころからデザインが好きな女の子がおりました。この子の美的センスはなかなかのもので、アタクシは「まだ小さい芽ながらも才能があるなぁ」とその子の行く末を楽しみにしておりました。

その子のお母さんは「成績至上主義」のようなところがあって、大変、勉強に厳しい学校にお嬢さんを入れました。その学校は素晴らしい授業展開をするので、知的好奇心をくすぐられる喜びに満ちた子にはたまらない快感を呼び込む学校だとは思いますが、どうやらその子にはあわなかったようです。

ある日、つけまつげで遊んでいたその子を見つけた母が激怒して、その子がコレクションしている、つけまつげをすべて捨ててしまいました。

それから、その子は意欲を失ったかのように学校に行けなくなりました。

アタクシがその母に「卒業したら美容資格も取れる高校に行ったら伸びるのに?」と言ったら、その母は激怒してこう言い返してきました。

「りんこは他人事だから、そう言うのよ。この学校に入って、大学にも行かない選択をしろってこと?」

結局、その子は高校でフリースクールに通い、親の勧める語学の専門学校に入学手続きはしたものの、結局、興味がないので行かずに、現在、フリーターということになっています。

意志あるフリーターであれば、なんの問題もありません。でも、彼女は「親に夢をぶち壊された」と思っており「生きる意欲をなくした」風を装って、その親に対抗していることが問題なのです。

自分の人生を生きていないということがアタクシにはもったいなく感じられます。

このように、学校選択を誤ると、往々にして「やる気を見せない」ということで親に対抗してくる子が出てくるのです。

「自分の人生にやる気を見せる」ということはダイレクトに「生きてるって楽しい」に繋がります。

親がわが子の才気に気づき、さらに、それを認めて、褒めて、伸ばしてくれようとする学校にわが子を置いておくことはとても大事なことなんです。

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

鳥居りんこ
この記事の著者
鳥居りんこ 専門家・プロ

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー&介護アドバイザー。「偏差値30からの中学受験」シリーズ(学研)などの著者。受験から子育てまでの講演・執筆活動多数。ブログでは、中学受験、大学受験、子どもと自分の就職、子育て、夫婦問題、老人介護問題、その他あらゆる女性が抱える難しくも、素敵な日々を綴っています。

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