連載 中学受験のイロハ 鳥居りんこ

私立中高一貫校の共通理念|中学受験のイロハ 鳥居りんこ(8)

専門家・プロ
2016年7月28日 鳥居りんこ

第7回のコラムで親がわが子の才気に気付き、さらに、それを認めて、褒めて、伸ばしてくれようとする学校にわが子を置いておくことはとても大事ということを書きました。

これは学校からあなたの子供が「愛される」ということを指しています。

アタクシは「愛される」ということは人生の中でも大切なことだと思っているのです。

通常、子供は両親から愛され、祖父母から愛され、近所のおじちゃん、おばちゃんから愛され、そして友だちから愛されという段階を踏んでいきますが、学齢期に達し、さらに思春期に突入すると、子供の環境は自宅周辺よりも、学校の方が優先順位は高くなるんですよね。

そのときに「学校に愛される」ということは本当に大切なことなんです。

私立学校は成績の良い子が好き

しょーもない話をしましょう。

先生方は否定されますが(アタクシ、各校に出掛けては「どんな生徒がお好きですか?」と聞きまくってるんですの)、学校、特に私立学校は成績の良い子が好きです。

(あ、その前にですね、学費を滞りなく支払ってくださるご家庭が好きです。もし、この面で不安がある方は学校独自の家計急変への奨学金制度を持っている私学を選びましょう。高校では公的奨学金も結構、充実しておりますが、中学は義務教育なのでお金がないなら公立に転校すれば? ってことから、奨学金制度に頼れないってことになりがちなんです)

これは営業戦略上、仕方がないことなんですね。特に中高一貫校にとっての「大学合格実績」は翌年以降の経営の運命を決定づけるものになるので、実績を叩き出すであろう成績優秀者が学園の期待を背負って優遇されるのは無理からぬことなんです。

勉強嫌いな子は私立中高一貫校に向いていない

中高一貫校でうまくいかなくなった母が先生に向かって、こう叫ぶことがままあります。

「ウチの子は(バカだけど)性格はいいんです!!(だから放校処分にしないで!)」

先生は大抵、こうおっしゃいます。

「(性格がいいのは)知ってます」

この短いワードの中には「でも成績悪いんだから、どうしようもないじゃん!」という言葉が入るんですね。これはすべての私立中高一貫校が教育理念を持っているために起こる反応なので、学校が冷たいということにはならないのです。

つまりすべての私立中高一貫校は「人の役に立つ人間に育てる=それこそが人が生きる意味なのだ」という理念を持っているんですね。その「世の為、人の為」になるために「知力を付けて、世の中に還元しなさい」と謳っているのです。

それゆえ、どの学校もうるさく「勉強!勉強!」というわけです。 「勉強する(知識を付ける)」ということが嫌いな子供は私立中高一貫校にはもともと、向かないんです。

「学びのレベル」があっている学校を選びましょう

アタクシが講演等で「中学受験で燃え尽きさせちゃダメよ」と訴えているのはそういうことです。

「合格まで!」というつもりで頑張らせると、入学後も延々と続く「勉強地獄」にわが子が悲鳴を上げるのは意外と早いです。

延々と勉強をすることが楽しいと思うためには、その学校の「学びのレベル」にあわないといけないわけです。(ミラクル合格者の末路が悲惨だということがこれでわかって頂けると思います)

絶対に誰も言わないから、アタクシがひっそりとここで言いますが「学校から愛される」というマストな条件には「成績」が入ります。

(言っちゃったよ!)

次回から「学校から愛される」ということについて書こうと思いますが、次回は「成績編」です。お楽しみに!

※この記事は、「マイナビ家庭教師」Webサイトに掲載されたコラムを再編集のうえ転載したものです。


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※記事の内容は執筆時点のものです

鳥居りんこ
この記事の著者
鳥居りんこ 専門家・プロ

エッセイスト、教育・子育てアドバイザー&介護アドバイザー。「偏差値30からの中学受験」シリーズ(学研)などの著者。受験から子育てまでの講演・執筆活動多数。ブログでは、中学受験、大学受験、子どもと自分の就職、子育て、夫婦問題、老人介護問題、その他あらゆる女性が抱える難しくも、素敵な日々を綴っています。

ブログ「湘南オバちゃんクラブ」
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