中学受験ノウハウ 親の関わり方

【中学受験】勉強をしない子に対する働きかけ

2018年9月26日 山本暁子

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子供が勉強しない理由はいろいろとあります。今回は中学受験を控えているのに勉強しない子供、つまり、親が教育に熱心な家庭でありながら子供が勉強嫌いになっているケースについて、その原因と効果的な働きかけを解説します。

子供が勉強しない原因は?

子供が勉強をしないのには、必ず子供なりの理由があります。どうして子供は勉強しないのでしょう?

勉強をしたくない一番の理由が親にある

子供に「どうして勉強しないの?」と聞いても、はっきりした返事が返ってくることはあまりないと思います。大抵は、「これからがんばるから」「なんとなくやる気が出なくて」といった具体性のない返答です。

そうなる理由は、勉強したくない理由が親にあるためです。それを当の本人である親に伝えることで「怒られるのでは?」「なんだか申し訳ない」と考えてしまっているのです。やさしい子供の場合は無意識に親を責めるのを避けて、「自分に能力がないから」と卑下してしまう場合もあります。

親の希望を押しつけている

子供が勉強嫌いになる原因として、親が子供に受験を押しつけているケースが見られます。

「××ちゃんの家は○○中学に行っているお兄ちゃんがいるんだって、あなたもせめて△△中学くらいにはいかないと」

「ゲームなんてしているようでは、○○中学に行けなくなって後で苦労する人生になるよ」

そんな言葉を子供にかけていないでしょうか。このような発言は世間や社会がわからない子供にとってプレッシャーや脅しのように感じられます。

場合によっては、「親が望むようにしなければならない」と嫌々机に向かうだけで成績も伸びず、「嫌々勉強する→成績が伸びない→勉強が嫌いになる」というスパイラルにはまってしまいます。

勉強を通して得られる成功体験と自信を与える

勉強のやる気のもとは、成功体験による自信です。「自分はやればできる」「自分にはこれだけのことができた」という自信を持つために、以下の働きかけをして子供のやる気を促してあげることが重要です。

小さな目標を設定してあげる

まずは小さな目標を子供と一緒に決めましょう。小さな成功体験のくり返しこそが子供に自信とやる気を与えてくれます。

「次の小テストのこの科目だけいい成績をとる」「模試のこの範囲だけちゃんと勉強する」「毎日、夕飯の支度中の30分だけこの問題集を解く」のように、目標はなるべく小さな方がおすすめです。

子供の努力を認める

小さな目標が達成できたら、その努力をしっかりと評価しましょう。ほかの子と比べる必要はありません。

注意してほしいのが、「認める・評価する」ことと「褒める」ことは違うという点です。

子供は褒められると、褒められるためだけに勉強をするようになりがちです。褒められることに慣れてしまったり、より良い点を取り続けないと褒められなくなったりしてくると、またやる気を失ってしまう恐れがあります。

「80点という結果を褒められたのではなく、そのための努力が認められた」と思えるようになれば、「たとえ結果は失敗するかもしれなくても努力はしよう」と思えるようになるのです。

勉強をしない子に対する働きかけ

「中学受験するのに勉強しない子に対する働きかけ」として、

・原因は親にあるのでは、とよく思い返してみる
・小さな目標を子供と一緒に設定し、1つずつクリアしていく
・結果を褒めるのではなく、努力を認める

という点を紹介しました。

成功体験による自信は受験勉強だけでなく、大人になってからもあらゆる場面で子供を支えてくれる強力な武器になるはずです。多感な年ごろですから、親がよい方向に導いてあげてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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