中学受験ノウハウ 通塾の悩み

気をつけないと逆効果? 冬期講習中の子供にしてあげたいサポート

専門家・プロ
2020年12月15日 吉崎 正明

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冬期講習は、受験直前の6年生はもちろん、5年生以下は2学期の復習が授業に組み込まれているなど、重要な意味を持ちます。家庭のサポートも大切ですが、接し方によっては逆効果となる可能性もあるため注意が必要です。

冬期講習中に注意したいこと

「入試本番に向け、冬期講習を実のあるものにしてほしい!」と、親御さんも気合十分のことでしょう。しかし冬期講習中の子供と接するにあたり、家庭で注意したほうが良いことも存在します。

冬期講習中に注意したいこと
・「プレッシャー」は塾に任せる
・勉強の干渉は控えめに

「プレッシャー」は塾に任せる

受験が迫ってくると、子供にプレッシャーをかけたくなりますよね。しかしこの場合、親からではなく、塾の先生からプレッシャーをかけてもらうようにしてください。塾では「この調子でしっかり!」「もっと勉強しないとね」など、子供にある程度プレッシャーをかけているものです。そして塾の先生は、受験生の気持ちを熟知しています。そのためモチベーションを高める言葉を投げかけられますが、親がプレッシャーをかけると親子喧嘩の原因になることも多いのです。特に冬期講習中は塾を頼り、「気を抜かずに勉強しようね」「しっかり!」といったプレッシャーを親の代わりにかけてもらうのがおすすめです。

「勉強しなさい!」は控えめに

子供が勉強していない姿を見ると、「勉強しなさい!」と声をかけたくもなりますよね。しかし冬期講習中、子供は塾で一生懸命勉強に取り組んでいます。「勉強しなさい!」と言わなくても、子供はこの時期の勉強の大切さを理解しているのです。家庭学習の様子が気になる気持ちはわかりますが、まずは、体力の回復や、前向きな気持ちになれるような声掛けなど、親だからこそできることに目を向けましょう。もちろん、明らかに怠けている様子が見られたときは叱ってかまいませんが、基本的には小さな成長を認めてあげるなど、冬期講習で疲れている子供の背中を押してあげるような言葉がけを意識してみてください。

冬期講習中のサポート

冬期講習を充実させるためには、親のサポートが欠かせません。特に生活面、そして勉強面でリズムをつくることを意識しましょう。

冬期講習中のサポート
・生活のリズムをつくる
・勉強のルールを決める

生活のリズムをつくる

学校の冬休みと重なることもあり、冬期講習中は朝寝坊や夜更かしなど、生活がどうしても不規則になります。そのため、起床時刻や就寝時刻を毎日一定にするなど、子供が規則正しい生活を送れるようなサポートが何よりも大切です。勉強の土台となる睡眠、そして健康的な食事も特に意識してください。1日のスケジュールを立てる場合には、生活リズムをしっかりと固めたうえで、そのなかに勉強時間を組み込むのがおすすめです。

なお、冬期講習はどの学年でも重要な意味をもちます。1日でも休んでしまうと授業の遅れなどを取り戻すのは難しいため、冬期講習は休まず参加することを目標にしましょう。寒さで体調を崩しやすい時期に加え、冬期講習は勉強時間が長く、子供の気力や体力も落ちやすいです。まずは規則正しい生活をサポートし、毎日元気に塾へ送り出してあげられると良いですね。

勉強のルールを決める

勉強のリズムをつくるために、親子でルールを決めるのもおすすめです。たとえば「冬期講習で出された宿題は、その日のうちに自習スペースで終わらせてくる」と決めるのもひとつの手。帰宅した直後はのんびりとしがちなため、スイッチを切り替えて「さあ宿題!」というのはなかなか難しいものです。一方で、塾の自習スペースが使える場合には、冬期講習後の集中力を切らさずに宿題に取り組めるだけでなく、塾で勉強するサイクルも身につきます。テレビや漫画の誘惑も、もちろんありません。「9時まで自習する」といったことを親子で決めておけば、メリハリをつけた勉強もできるでしょう。ちなみに子供が自習室でしっかりと勉強できるか不安な場合には、冬期講習前に塾に相談しておくのがおすすめです。塾内の巡回の際に、特に気にかけてくれますよ。

万全の状態で乗り切るために

親が子供の「サポーター」なら、塾は「コーチ」です。特に冬期講習中は、ときに優しく、そして厳しく、勉強内容だけでなく、受験生としての心構えを先生たちは伝えています。そして子供たちは、モチベーションの波こそあるものの、どの子も勉強に向き合いがんばっています。

一方で親御さんは、勉強に関する多くの部分は塾を信頼して任せ、家ではさまざまな話題でコミュニケーションをとるなど、子供がリラックスできる環境を整えてあげましょう。心身ともに万全の状態で冬期講習を乗り切れるように、子供のサポーターとして、精一杯の応援をしてあげてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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