フレームを作るだけで思考力・理解力が伸びる! 小学生からできる「頭がよくなるノートの取り方」(第1回)
「一生懸命勉強しているのに成績が上がらない。それは日々の授業で”頭がよくなるノート”を取っていないからかもしれません」。そう話すのは、ノートスキルの指導でビジネスマンや経営者などから絶大な支持を集める経営コンサルタントの高橋政史さん。勉強が楽しくなり、成績が伸びるノートとはどのようなものなのでしょうか?
■授業を100%ノートで理解すれば人生が変わる
今まで数多くの社会人や学生のノートを見てきましたが、多くが「頭がよくなるノート」ではなく「能力にフタをするノート」になっています。それは、今までノートの使い方を教わったことのある人がほとんどいないからです。
ノートの使い方を教わっていないと、授業のノートを取る=板書を書き写すことに終始しがちです。しかしせっかく集中してノートを取っても、後から見直したときに「これ何だっけ?」と分からないことが多い。すると当然「自分が授業で理解できたこと・できていないこと」の仕分けもされていません。単に板書を写すのは機械的な作業なので、記憶に定着しにくく理解も深まりません。勉強ノートに最も重要な、授業の「再現性」が乏しくなってしまうんです。
頭がいい人の代表選手とも言える東大合格生は、そのまま参考書になるくらい、パッと見て分かるノートを書きます。小中高生も、基本は同じです。
頭がよくなるノートとは、「板書」「先生のコメント」「自分が気づいたことや疑問に思ったこと」が授業の終わった瞬間に整理され、ノートの上で理解できるもの。試験前に特別な準備をしなくても、ノートを見返すだけで授業の流れや要点が分かるので、学習効率がグンと上がります。その結果、勉強以外の活動にも時間を振り向けることもできるでしょう。そういう意味で、ノートは人生を変えると言ってもいいと思います。
■ノートが変わると本当に成績が上がった
以前、ある中学で一年間にわたってノートの指導をしたことがあります。そのときは、生徒たちのノートの変化を写真に撮って成績と比較検討するなど、客観的な分析も行いました。すると、塾を増やすこともなく、ノートを変えただけで成績が一気に上がった生徒が何人もいました。ノートによって情報を整理する力が養われ、思考力と理解力が高まった結果でしょう。このことは、ノートを教えることの大切さを物語っていると思います。子どものころにしっかりと身につけておけば、将来の仕事やプレゼンなどでもずっと役に立つスキルなのです。
ただ、お子さんの思春期以降は親御さんが直接ノート指導をするのはむずかしいかもしれません。子どもにとってノートはプライベートな領域なので、親子の関係性が良くないと素直には見せてはもらえないでしょう。そうした場合は、後から述べる方眼ノートをさりげなく渡してみるなど、ちょっとしたきっかけ作りをしてみてはどうでしょうか。
■頭の整理の「フレーム」となる方眼ノート
では、ひと目でパッと理解できるノートを取るにはどうしたらいいのでしょう。本を片付けたいときは本棚が便利なように、思考を整理するためには、それを納める「フレーム」を用意することが大事です。フレームがしっかりしていれば、人は正しい行動がとれるものです。
そのために私がお勧めしているのが「方眼ノート」です。まず見た目をきれいに整えやすいメリットがあります。スペースを自在に使え、図や絵をフリーハンドできれいに書くことができます。そして子どもでも行頭や改行を意識した、見やすいレイアウトで文字を書くことができます。
そして、これが最も重要なのですが、見開きを分割して「見出し」「板書」「解釈」「行動」という、頭がよくなるノートの基本のフレームを作るのに最適なのが方眼ノートなのです。
(第2回に続く)
※記事の内容は執筆時点のものです
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