意外と知らない? 読解で差がつく野球の基礎知識まとめ
読解の意外な落とし穴が常識力。なかでも差が大きいのがスポーツに関するものです。中学受験では圧倒的に野球が題材として使われています。細かい知識は不要でも常識の範囲では知っておくと有利になります。
専門用語を知らないと起こるデメリット
読解では知らない単語が多いと読むのに集中できなくなります。スポーツの場合、試合のシーンなどでは専門用語が立て続けに出ます。知らない言葉ばかりだとそのシーンには何が書かれているかわからず、話の流れがつかめなくなってしまうこともあるのです。
状況がイメージできなければ人物設定もぶれてしまいます。スポーツが得意なのか苦手なのか、チームの雰囲気はどうなのか、登場人物はどんな性格をしているのか。人物設定が定まらないと気持ちや行動の理由が読みとれなくなってしまいます。
裏を返せば言葉を知っているだけで、苦手とする子が多い文章でもスラスラ読み進められるということです。差をつけるチャンスともいえますね。
物語文における野球
野球は中学受験でもっともよく取り上げられるスポーツです。少年野球に取り組む主人公だけでなく、甲子園を目指す兄や少年野球の監督をする父などが登場します。
野球を題材にした小説で有名なのは映画化もされた「バッテリー(あさのあつこ)」でしょうか。ほかには中学受験では頻出著者に挙げられる重松清の「南小、フォーエバー」「赤ヘル1975」なども。どの作品も野球が青春の象徴として描かれています。
野球の基礎知識を物語文で出やすい文脈と絡めてまとめました。ざっと眺めるだけでも役に立つはずですので、一度確認してみましょう。
野球の基本ルール
野球というスポーツのもっとも大きな特徴は、2チームが攻撃と守備を交互におこなうことです。
攻撃の場面では投げられたボールを打ち、1、2、3塁を回ってホームベースへ戻れば1点になります。守備の場面では相手に打たせないようにボールを投げ、打たれてもすぐボールを拾い、相手が塁を回るのを阻止して点数を取らせないようにします。
投げる、打つ、走るが基本のスポーツで、特に守備では瞬時の判断とチームワークが必要です。
覚えておきたい用語
野球をより詳しく知るうえで、覚えておきたい用語を紹介します。
バッター
ボールをバットで打つ人、打者ともいいます。なかでも4番バッターはもっともうまい人を当てることが多く、「昔は4番だった」で「うまい野球選手だった」という文脈になります。
ピッチャー
バッターにボールを投げる人で投手ともいい、少年野球における花形のポジションでもあります。
キャッチャー
バッターの後ろでピッチャーのボールを受ける人で捕手ともいいます。
バッテリー
ピッチャーとキャッチャーのペアのことです。物語文では強い絆で結ばれた関係であることも多いです。
表 / 裏
野球は表と裏で9回まで行い勝敗を決めます。表で攻撃をしたチームは裏で守備にまわります。先攻が表、後攻が裏ということです。
1回表なら試合が始まったばかり、9回裏なら勝敗の決まる最後の攻防です。9回裏で守備をしているチームはそれ以上点数を入れることはできないため、必死で守ることになります。物語文でもよく出てくる場面ですね。
ホームベース(本塁)
ホームベースを攻撃側が踏むと、点が入ります。「ホームベースに届かない」という表現で惜しくも点が入らなかった、つまり負けを表すこともあります。
(サヨナラ)ホームラン
フェンスを超えるなどボールを非常に遠くまで打つプレーがホームランです。ホームランを打つと自動的に点が入るため盛り上がります。勝敗を決めるホームランはサヨナラホームランといい、強制的に試合終了となり印象に残りやすいため、回想で使われることも多くあります。
ストライク
ピッチャーの投げた球をバッターが打てなければストライクとなり、ストライク3回でアウトとなってバッターは出番終了です。
三振
バッターがストライクを3回取られると三振です。アウトになるので、バッターとしては苦い思い出となります。
コールド負け
点数があまりにも離れてしまい試合終了となることをコールドゲームといい、これで負けたことをコールド負けといいます。チームの弱さを表すときに「去年もコールド負けだった」と使うことがあります。
甲子園
毎年8月に開催される全国高等学校野球選手権大会の別名です。野球をしている高校生のあこがれの大会で、地方大会を経て各都道府県から1~2校ずつが出場できます 。「甲子園を目指している」「昔、甲子園に行ったことがある」と野球の強さやうまさを表す文脈で使われることが多いです。
メジャーリーグ
アメリカのプロ野球リーグのことです。世界最高峰のリーグでもあり、夢の舞台として「いつかはメジャーリーガーに」と使われることがあります。
有名選手
物語文に限らず説明的な文章でも名前の挙がる選手をまとめました。
ベーブルース
野球界でもっとも有名な選手のひとり。ホームランを量産し、野球のおもしろさを世界中に広めた伝説の選手でもあります。
長嶋茂雄
読売ジャイアンツ(巨人軍)のスタープレーヤーでのちに監督にも就任しました。
野茂英雄
日本人で初めてメジャーリーグで大きな功績をおさめ、日本人選手の評価を一気に押し上げた選手です。
イチロー
メジャーリーグで活躍し、長きにわたって好成績を収め続けている選手です。打率(ヒット率)の高さなどで多くの記録を作り続けています。
まとめ
野球の基本がわかると試合のシーンの臨場感が伝わり、登場人物の喜びや悔しさがより強く理解できるようになります。主人公のミスで負けたなど、勝ち負け以外の流れを読み取れると問題を解く手がかりが増えます。
文字でイメージするのが難しければ、テレビで10分でも野球を見てみるとイメージが膨らむでしょう。映画やアニメでもOKです。
読解の苦手分野がひとつでも少なくなると良いですね。
※記事の内容は執筆時点のものです
とじる
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