連載 学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

親の関わり方#3 子どもに「言うことをききなさい」と言うのはNG?|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

専門家・プロ
2019年6月12日 松本亘正

子どもに「よい勉強習慣」を身につけさせたい。そのために親ができることとは――。中学受験専門塾 ジーニアス 代表、松本亘正氏の著書『合格する親子のすごい勉強』から、わが子の学ぶ力を伸ばすヒントを紹介します。

「親や先生の言うことはききなさい」は言ってもいい

― Point ―

親が論理的であれば、子どもは大人の言うことに耳を傾けられる

「親が子どもに『言うことをききなさい』と言うことは、押しつけになりませんか?」という相談を受けることがあります。

さまざまなタイプの子どもに接してきて感じるのは、理由づけができていて、論理的であれば、子どもは大人の言うことに耳を傾けられるということです。

子どもに伝えるときには、なぜ言うことをきくべきなのか、たとえば「注意しないとケガをしてしまうからね」「静かにしないとまわりに迷惑がかかってしまうよ」と、どんなことが起きる可能性があるのか、どういうことにつながってしまうからそれを避けようとしているのかをしっかり説明していきましょう。

子どもが3歳に満たないうちには「なぜいけないのか」はわからないかもしれません。でも、4歳、5歳にもなってくれば「どうしていけないのか」がわかるようになってきます。「なぜ言うことをきかなければならないのか」「だからこうしようね」とそのつど、説明しましょう。

ただ感情的に大人が怒りをぶつけると、その場では子どもはおとなしく聞いていても、納得していない分、「抑えつけられている」と感じてしまいます。この気持ちを残したままでいると、結果的に別の場所で同じような行動をしたり、何かに当たったりして発散させようとするので、かえって「言うことをききなさい!」と言う場面を増やしてしまうことになりかねません。

怒りにまかせた発言は、子どもの心に消化不良のまま残ってしまうということを、意識しておきたいですね。また、「私(親)の言うとおりにしておけばいいのに」と思ってしまいそうなときには、丁寧に話しかけてあげるのが効果的です。

たとえば「『A』(行動)→『B』(よくない結果)につながる。だからしてはいけないよ」と「型」を決めて話をすると、伝わりやすくなります。

同じ「型」で話し続けることで、子どもは少しずつ「A」と「B」をつなげて考えることができるようになりますし、論理的に物事を考えられるようになっていきます。    

もちろん、逆のケースもあります。5歳児が自宅のくつをそろえたとしましょう。そんなときには、おおげさに喜んで「くつをそろえる」→「とても気持ちがいい(だからおかあさんもうれしい)」と話すと、ほめられた喜びもあって繰り返すようになります。

マイナスの行動でもプラスの行動でも、できるだけ「A→B」という因果関係を示すコミュニケーションを心がけてください。

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この記事の著者
松本亘正 専門家・プロ

まつもとひろまさ|中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表|ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中に中学受験専門塾ジーニアスを開校。現在は東中野・自由が丘・日吉・芝浦港南など、6校を展開している。「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。生徒は口コミと紹介だけで9割を超える。これまでののべ指導人数は2200名以上。第一志望校への合格率は一般的に25%といわれるなか、ジーニアスは約60%超の第一志望校合格率を誇る。中学受験だけでなく、高・大受験時、就職試験時、社会人になっても活きる勉強の仕方や考える力の育成などに、多くの支持が集まっている。