親の関わり方#3 子どもに「言うことをききなさい」と言うのはNG?|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」
「親や先生の言うことはききなさい」は言ってもいい
― Point ―
親が論理的であれば、子どもは大人の言うことに耳を傾けられる
「親が子どもに『言うことをききなさい』と言うことは、押しつけになりませんか?」という相談を受けることがあります。
さまざまなタイプの子どもに接してきて感じるのは、理由づけができていて、論理的であれば、子どもは大人の言うことに耳を傾けられるということです。
子どもに伝えるときには、なぜ言うことをきくべきなのか、たとえば「注意しないとケガをしてしまうからね」「静かにしないとまわりに迷惑がかかってしまうよ」と、どんなことが起きる可能性があるのか、どういうことにつながってしまうからそれを避けようとしているのかをしっかり説明していきましょう。
子どもが3歳に満たないうちには「なぜいけないのか」はわからないかもしれません。でも、4歳、5歳にもなってくれば「どうしていけないのか」がわかるようになってきます。「なぜ言うことをきかなければならないのか」「だからこうしようね」とそのつど、説明しましょう。
ただ感情的に大人が怒りをぶつけると、その場では子どもはおとなしく聞いていても、納得していない分、「抑えつけられている」と感じてしまいます。この気持ちを残したままでいると、結果的に別の場所で同じような行動をしたり、何かに当たったりして発散させようとするので、かえって「言うことをききなさい!」と言う場面を増やしてしまうことになりかねません。
怒りにまかせた発言は、子どもの心に消化不良のまま残ってしまうということを、意識しておきたいですね。また、「私(親)の言うとおりにしておけばいいのに」と思ってしまいそうなときには、丁寧に話しかけてあげるのが効果的です。
たとえば「『A』(行動)→『B』(よくない結果)につながる。だからしてはいけないよ」と「型」を決めて話をすると、伝わりやすくなります。
同じ「型」で話し続けることで、子どもは少しずつ「A」と「B」をつなげて考えることができるようになりますし、論理的に物事を考えられるようになっていきます。
もちろん、逆のケースもあります。5歳児が自宅のくつをそろえたとしましょう。そんなときには、おおげさに喜んで「くつをそろえる」→「とても気持ちがいい(だからおかあさんもうれしい)」と話すと、ほめられた喜びもあって繰り返すようになります。
マイナスの行動でもプラスの行動でも、できるだけ「A→B」という因果関係を示すコミュニケーションを心がけてください。
※記事の内容は執筆時点のものです
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