親の関わり方#6 子どもへの期待は意識的に下げる|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」
ハードルはあまり高くしない
― Point ―
子どもが「親から期待されすぎている」と感じることがないようにする
子どもが試験の点数を改ざんしたり、カンニングといった不正をしてしまうのは、「親の期待に応えなければいけない」「自分をよく見せたい」という気持ちからくるものです。
勝手に自分を飾ろうとする子もいますが、親が気をつけたほうがいいのは「ハードルを高くしないこと」。
「本当はこれくらいがんばってほしい」「これくらい点数をとってほしい」と思っても、ぐっと我慢して少しハードルを下げてあげてください。そうすれば、子どもは精神的に追い詰められたりすることもなく、負担に感じにくくなります。
真面目で成績もよく、優等生然としている女の子がいました。宿題も手を抜くことなくいつもきちんとこなしていましたし、模試の成績もいつも上位でした。その子が、確認テストでカンニングをしているという報告がきたとき、多くの先生が驚きました。
でも、じつはよくあることです。「いつも上位にいるのが当たり前」「確認テストは満点をとって当たり前」というのが、本人や親や周囲の共通認識でした。そんなプレッシャーがあったからこそ、「わからない!」と思ったときに怯え、隣の子の答えをつい見てしまったのです。
本来、不正を指摘するなら、その場で現行犯で指摘しないとかえって逆効果になります。しかし、その女の子はナイーブな性格だったので、別のテストで得点が取れなかったときに呼び出して「いつも確認テストで満点をとるなんて無理な話だし、そんなことを先生は求めていないよ。しっかり宿題に取り組んでいることが大事で、いつも十分がんばっているよね」と話しました。
あえてカンニングについては直接指摘しませんでしたが、その後不正をすることはありませんでした。
子どもは感受性が豊かで、親の期待に敏感です。真面目なタイプの子どもほど、大人が「本当はこれくらいまでいってほしい」と願うより、少し下げたハードルを設定してあげましょう。
※記事の内容は執筆時点のものです
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