連載 学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

親の関わり方#6 子どもへの期待は意識的に下げる|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

専門家・プロ
2019年6月21日 松本亘正

子どもに「よい勉強習慣」を身につけさせたい。そのために親ができることとは――。中学受験専門塾 ジーニアス 代表、松本亘正氏の著書『合格する親子のすごい勉強』から、わが子の学ぶ力を伸ばすヒントを紹介します。

ハードルはあまり高くしない

― Point ―

子どもが「親から期待されすぎている」と感じることがないようにする

子どもが試験の点数を改ざんしたり、カンニングといった不正をしてしまうのは、「親の期待に応えなければいけない」「自分をよく見せたい」という気持ちからくるものです。

勝手に自分を飾ろうとする子もいますが、親が気をつけたほうがいいのは「ハードルを高くしないこと」。

「本当はこれくらいがんばってほしい」「これくらい点数をとってほしい」と思っても、ぐっと我慢して少しハードルを下げてあげてください。そうすれば、子どもは精神的に追い詰められたりすることもなく、負担に感じにくくなります。

真面目で成績もよく、優等生然としている女の子がいました。宿題も手を抜くことなくいつもきちんとこなしていましたし、模試の成績もいつも上位でした。その子が、確認テストでカンニングをしているという報告がきたとき、多くの先生が驚きました。

でも、じつはよくあることです。「いつも上位にいるのが当たり前」「確認テストは満点をとって当たり前」というのが、本人や親や周囲の共通認識でした。そんなプレッシャーがあったからこそ、「わからない!」と思ったときに怯え、隣の子の答えをつい見てしまったのです。

本来、不正を指摘するなら、その場で現行犯で指摘しないとかえって逆効果になります。しかし、その女の子はナイーブな性格だったので、別のテストで得点が取れなかったときに呼び出して「いつも確認テストで満点をとるなんて無理な話だし、そんなことを先生は求めていないよ。しっかり宿題に取り組んでいることが大事で、いつも十分がんばっているよね」と話しました。

あえてカンニングについては直接指摘しませんでしたが、その後不正をすることはありませんでした。

子どもは感受性が豊かで、親の期待に敏感です。真面目なタイプの子どもほど、大人が「本当はこれくらいまでいってほしい」と願うより、少し下げたハードルを設定してあげましょう。

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※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者
松本亘正 専門家・プロ

まつもとひろまさ|中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表|ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中に中学受験専門塾ジーニアスを開校。現在は東中野・自由が丘・日吉・芝浦港南など、6校を展開している。「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。生徒は口コミと紹介だけで9割を超える。これまでののべ指導人数は2200名以上。第一志望校への合格率は一般的に25%といわれるなか、ジーニアスは約60%超の第一志望校合格率を誇る。中学受験だけでなく、高・大受験時、就職試験時、社会人になっても活きる勉強の仕方や考える力の育成などに、多くの支持が集まっている。

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