連載 学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

勉強習慣・生活習慣#14 「やらなきゃ」と思わせるには?|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」

専門家・プロ
2019年8月08日 松本亘正

子どもに「よい勉強習慣」を身につけさせたい。そのために親ができることとは――。中学受験専門塾 ジーニアス 代表、松本亘正氏の著書『合格する親子のすごい勉強』から、わが子の学ぶ力を伸ばすヒントを紹介します。

「これができないと損をする」と言われたほうが子どもには効く

― Point ―

先にボーナスを与えて、できなければ返還させるほうが積極的に動く

中室牧子さんの『「学力」の経済学』(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)では、教員の質を高める方法として、次のような実験を紹介しています。

1、付加価値をつけられればボーナスを与える
2、先にボーナスを与え、付加価値をつけられなければボーナスを返還させる 

どちらも実施したところ、2のほうが子どもたちの成績が上昇したそうです。

「人間がいったん得たものを失うのは嫌だという気持ちを逆に利用して、教員の質を高めることに成功した」と中室さんは述べています。これは子どもでも同じです。

たとえば計算ミスをなくしたいとき。

当塾ではポイント制を採用していて、宿題をやってきたら100ポイントをつけたりしています。それを貯めていくのです。

6年生になって、毎回の授業で計算問題を2問解かせましたが、どうもミスが多い。そこで、「この計算問題を2つとも間違えたら1万ポイント取る(わざと数字を大きくする)。1つ正解なら0ポイント。2つ正解なら100ポイント」という制度を設けました。

この制度にしたところ、子どもたちは劇的に見直しをするようになりました。

正答率も、漫然と2問解かせていたときと比べて、一気に上がり、ほぼ100%の正答率になったのです。

先にボーナスを与えて、できなければカットする方式は、子どもが自分から「やらなきゃ」と動くようになるので、勉強はもちろん、日々の生活などでも、とてもおすすめです。

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※記事の内容は執筆時点のものです

この記事の著者
松本亘正 専門家・プロ

まつもとひろまさ|中学受験専門塾ジーニアス運営会社代表|ラ・サール中学高校を卒業後、慶應義塾大学在学中に中学受験専門塾ジーニアスを開校。現在は東中野・自由が丘・日吉・芝浦港南など、6校を展開している。「伸びない子はひとりもいない」をモットーに、少人数制で家族のように一人ひとりに寄り添う指導を徹底、毎年超難関校に合格者を輩出している。生徒は口コミと紹介だけで9割を超える。これまでののべ指導人数は2200名以上。第一志望校への合格率は一般的に25%といわれるなか、ジーニアスは約60%超の第一志望校合格率を誇る。中学受験だけでなく、高・大受験時、就職試験時、社会人になっても活きる勉強の仕方や考える力の育成などに、多くの支持が集まっている。