親の「言葉がけ」#13 勉強以外の才能を見つけてあげる|学ぶ力を伸ばす「合格する親子の勉強」
できなくても本人が全然気にしていないときには?
― Point ―
焦らず、勉強以外の強みを探してあげる
「うちの子は全然できないのに、本人がまったく気にしていなくて……」という相談を受けることがあります。
結論からいうと、そのままでいいのではないでしょうか。
まず、「できない」にも2種類あります。
1、まったくできないわけではないけれど、ミスも多いし、努力も足りないし、点数につながらない
2、学校や塾の勉強についていけない。あまりにもやりたがらない
1なら精神力が強い証拠です。少々のことでは動じない強さは、なかなかつくり出すことはできません。天賦の才能を持っていると喜んでほしいくらいです。
もちろん、「放置」しすぎると、野生児になってしまいますから、親の要求は伝え続けてください。
「もうちょっとミスが減れば平均点を超えるのにな」
「せめて宿題くらいやろうよ」
でも、心のなかでは「それでも動じないってすごいな」と、親がゆとりをもったほうがいいでしょう。
発表会でも受験でも仕事の重要な局面でも、成功するのは精神力が強い人です。
2なら少し話は変わってきます。
環境がよくないのかもしれませんし、勉強以外の才能を見つけてあげられていないのかもしれないと考えてみてください。
かつて、コツコツ努力することが苦手で、できないことにもどこ吹く風。さらに無口で、決めたことは頑として譲らない子がいました。
しかし、休み時間にささっと描く絵がとても独創的で、はっとさせられることがよくあるような子でした。
その子はテストはできないものの、抜群の映像記憶力をもっていました。かつての授業の様子を絵で正確に再現できるのです。
じつは山下清のような才能を持っているのではないかと思うこともあり、中学受験ではできるだけのびのびした自由な校風をすすめました。
しかし、ご両親は自由な校風には理解を示してくれたものの、できるだけ偏差値上位の学校を目指させたい気持ちがありました。
結局、第2志望の偏差値58ほどの進学校に合格できたのですが、課題がとても多い学校で、残念なことに途中から不登校になり、退学してしまったと聞きました。
あまりにもミスマッチだったのだと思います。
勉強にこだわりすぎると、子どもの可能性の芽をつぶしてしまうかもしれませんから、そこは、柔軟に考えたいですね。
※記事の内容は執筆時点のものです
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