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中学受験合格者も実践!「6年生2学期」の行動計画と学習のコツ

専門家・プロ
2019年8月08日 吉崎 正明

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入試当日まで残り時間が少ないのに、やるべきことが増えるのが6年生の2学期です。今回は、限られた時間のなかで学習量と学習効率をアップさせるコツを、中学受験合格者の実例を交えて紹介します。

勉強時間を確保するために、生活習慣を見直す

子供の起床時間と就寝時間は、平日・休日ともに決まっていますか?学習内容を充実させるには、土台となる生活習慣を改善する必要があります。とくに夜更かしや寝坊をしやすく、翌日に体調を崩しやすい子は、生活習慣を見直しましょう。

毎日の学習リズムを保って元気に勉強するために、起床と就寝の時間を固定するのもひとつの手です。中学受験は、勉強時間をいかに確保するかが大切です。平日に体調を崩して小学校や塾を休んでしまうと、学習時間を5~6時間失ってしまうこともあります。

ちなみに、成績を大きく伸ばして合格した多くの子が、「朝の学習を大切にしていた」と話していました。「朝の1時間は夜の3時間」といわれるほどです。

朝は、計算問題など、短時間で多く解けるものに取り組むのがおすすめです。毎朝10問でもコツコツ積み重ねると1ヶ月で約300問、9月から始めても12月が終わるまでに約1200問解くことができます。

また、多くの場合、中学入試は午前中に行われます。合格していった子供たちは、朝学習でコツコツと演習を重ねていった子が多く、入試本番に近い「朝の時間帯」に慣れていきました。

ルーティーンの学習計画をつくり、「何を勉強するか迷う時間」を減らす

生活習慣の次は、学習習慣を見直しましょう。合格した子の話を聞くと、時間の使い方がうまいことに感心させられます。

学習量が増える6年生の2学期は、「何を勉強するか迷っている時間」はもったいないです。スケジュール管理が、これまで以上に大切になってきます。

ポイントは、「いつ、何を、どのように勉強するか」を決めておくことです。たとえば、「水曜日の17時から算数の基本問題を20分以内で行う」といったように具体的に決めます。曜日ごとに、毎週ルーティーンで勉強する計画を立てることで、何を勉強するか迷う時間が減り、学習管理もしやすくなります。

勉強の時間管理には、キッチンタイマーが役立ちます。勉強時間を計ることで、「気づいたら理科の練習問題を1時間もやってしまった」といったことを防ぐことができます。また、「社会の1問1答は、20問ぐらいなら10分もかからない」など、中学入試に役立つ時間感覚を身につけることにもつながります。

「15分以内に大問1つを終わらせ、タイマーが鳴ったら時間切れ」といったように、「短い時間」で勉強するのもおすすめです。

忙しい中学受験生は、すきま時間をいかに使って勉強できるかが合格のカギを握ります。細切れの時間で勉強するクセをつけると、すきま時間の5分だけでも、間違えた問題の解き直しや新しい問題の演習ができるようになります。学習量が確保でき、問題を解くスピードも上がりますよ。

学習環境を整えるために、筆記具を鉛筆に替えるのがおすすめ

学習環境を整えることも、中学受験で合格を引き寄せるためのポイントです。簡単にできて効果も高い、筆記具の選び方について紹介します。

お子さんは、鉛筆かシャーペンのどちらを使っていますか?それぞれ一長一短ありますが、中学受験生に限定するなら、わたしは鉛筆を使ってほしいと考えています。

たしかにシャーペンは、細い字でも安定して書くことができ、腕に負担がかからないものもあります。多くの種類のなかから、自分が書きやすいものを選ぶことができるのもシャーペンの特徴です。

しかし、鉛筆には「折れにくい」というメリットがあります。鉛筆のカタチが、小学生の筆記角度にフィットするためです。筆跡が濃く残り、指に力を入れやすいことも鉛筆の特徴です。

シャーペンは、使い方によっては「壊れやすい」というデメリットがあります。小学生は、壊れたシャーペンを面白がって、分解したり直したりすることに時間をかけてしまうことも……。鉛筆は見た目がシンプルなため、削る、新しい鉛筆に代える、といった判断がすぐにでき、ムダな時間を使いません。

ちなみに、中学受験生が解いたテストの採点をすると、点数を取れている子の答案は、回答の字が「濃く」「大きく」「堂々としている」といった傾向があります。シャーペンで書いたような「字の細さ」は、彼らの答案には見られません。

中学入試問題は、とにかく書かせる量が多いです。シャーペンよりも、折れにくい鉛筆のほうが中学受験向きの筆記具といえるでしょう。

中学入試直前の2学期を効率的に過ごそう

「6年生2学期」の限られた時間を最大限活用するための工夫を、生活習慣、学習計画、学習環境の面から紹介しました。夏の学習に悔いが残った中学受験生はもちろん、うまく勉強ができている受験生にも参考にしてほしいものばかりです。中学入試直前の2学期に「濃い勉強」ができるように、効率的に時間を使えると良いですね。

※記事の内容は執筆時点のものです

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