連載 合格する子どもの伸ばし方

「一点集中タイプ」の子への関わり方|本物の力を育てる「合格する子どもの伸ばし方」

専門家・プロ
2019年9月13日 松本亘正

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子どものタイプによって、親の関わり方や言葉のかけ方を変えたほうがぐんと伸びる。子どもは、大きく4つのタイプに分けることができる ―― 中学受験専門塾 ジーニアス代表、松本亘正氏の著書『合格する子どものすごい伸ばし方』から、わが子のタイプを知り、子どもの力を伸ばす方法を紹介します。

子どもには4タイプあり、そのタイプによって関わり方を変えたほうが、ぐんと伸びる子になります。今回は「一点集中タイプ」の子のシーン別の関わり方を、「NG」「OK」に分けて紹介します。

子どものタイプは、次のページからチェックできます。

【あなたの子どもは何タイプ?】チェックリストで子どものタイプを確認しよう

「一点集中タイプ」の子への関わり方

シーン1 塾の勉強スタイル

N G
大人数の教室で、わかりきっていることを聞かされる

まわりのペースに合わせることで、せっかくの能力を伸ばせなくなってしまう 

塾の時間が、どんどん退屈でムダな時間になっていきます。

O K
得意な科目は、レベルの高い先生のもと、個別指導か少人数クラスで取り組む

長所や得意分野をぐんぐん伸ばせる 

受験では、得意分野がある子のほうが圧倒的に有利です。子どもが悩んでいるときにはヒントを出せば、自分で解決して次に進んでいきます。得意科目でない場合は、大人数のクラスでもOKです。

「一点集中タイプ」の子への関わり方

シーン2 部屋が散らかっているとき

N G
勉強前に整理整頓をさせようとする

無理に片づけさせた分だけ、独創的な発想や集中力が発揮できなくなることも…… 

これは男の子とおかあさんとの間でよく起こりやすいケースです。「整理整頓がすべての基本だから」とつい片づけをうながしてしまいがちですが、このタイプの場合は、あえて直す必要はありません。

O K
部屋が散らかっていても、軽い注意にとどめる

独創性も才能も失わずにすむ 

「片づけたほうがいいものだ」ということを、子どもに知っておいてもらうだけで十分です。散らかっていても、子ども自身はどこに何があるのかわかっていることが多いですよ。

「一点集中タイプ」の子への関わり方

シーン3 何かに没頭しているとき

N G
(レゴや読書など)何かに没頭しているときに「宿題をしなさい!」と注意する

ひとつのことに集中する持久時間を減らすことになる 

ただし、ゲームや動画、テレビの場合は、長い時間はおすすめできません。これらは受け身の情報にあたるため、集中してはいても、考える力を磨いているとはいえません。頭や手を使って取り組むものでないと、集中してもあまり意味がないのです。

O K
寝る時間のギリギリ前まで好きなことをさせてあげる

集中力がぐんぐん身につく 

子どもが集中している間、親御さんも横で別のことに取り組むことをおすすめします。会話をする必要はありません。この関わり方をしていると、親御さん自身も、子どもといい距離感をとることができるようになりますよ。

「一点集中タイプ」の子への関わり方

シーン4 好きな教科しか勉強していないとき

N G
すべての教科をバランスよく勉強させようとする

ぐんと伸びるタイミングを奪ってしまい、長所が伸びなくなる 

時間を30分ごとに区切って「次は国語、その次は理科」といった型にはめてしまうのはさらにNGです。子どもは「もっと○○教科を勉強したかったのにな」と思いながら親の言うことを聞くことになるので、だんだん勉強嫌いになってしまいます。

O K
得意教科に特化して勉強させる

長時間夢中になって集中することで、「ぐんと伸びる」体験をたくさん積める 

好きな教科に特化して勉強する時間は、3年生までなら1時間、高学年なら2時間までぐらいが目安です。

「一点集中タイプ」の子には、「得意」を伸ばす関わり方を

「一点集中タイプ」の子は、自分でどんどん物事を進めていくことを好むので、親が関わりすぎることが弊害になる可能性も……。口出しはせず、子どもの好きなことに自由に触れさせてあげましょう。

「一点集中タイプ」の子の力がぐんと伸びる言葉がけを、以下の記事で紹介しています。

イラスト hashigo(silas consulting)


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※記事の内容は執筆時点のものです

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