中学受験ノウハウ 連載 しあわせな中学受験

夏休み明けは要注意。夏の疲れは秋に出る|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

専門家・プロ
2019年9月02日 中曽根陽子

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暑い夏もようやく終わり、学校が始まりました。夏休み中夏期講習に参加して、みっちり勉強した受験生。あれだけ頑張ったのだから成果が出るはずと受けたテストで成果が出ない、塾のクラスが下がってしまった……。こういう事態はよくあることです。その原因はもしかすると秋バテかもしれません。

成果が出ないときこそ冷静に

夏期講習を頑張ったのに、成果が出ないとなるとモチベーションもさがりますよね。でも、そんな時こそ冷静に対応することが大切です。

まずはその原因を探りましょう。特に5年生以上の夏期講習では、それまで学習の総復習をしているはずなので、かなり広い範囲を駆け足で勉強していたと思います。しかも、大抵の塾はお昼から夜まで長時間塾にいて、ほぼ座りっぱなしで頭を使っていたことでしょう。小さな体の小学生にとって、かなりの負担になっているはずです。夏の疲れが溜まっているところに学校も始まります。特に6年生は2学期からは、本番に向けて時間がないため、気持ちの余裕もなくなりがちです。「勉強に集中できない……」。そんな状態が長く続く悪循環に陥らないためにも、保護者は「成果がでない!」と焦らず、お子さんの様子をよく確認しましょう。

「やる気が出ない……」。その原因は秋バテかも

秋は「勉強の秋」と言われるくらいです。気候の良い秋は何をするのにも集中しやすいというイメージがあります。しかし、季節の変わり目の時期は、体調を崩しやすい時期です。特に最近の酷暑で体は思った以上にダメージを受けています。そのうえ2学期は学校行事も多く、なかなかゆっくりとした時間が取れません。そんななか、夏の疲れがどっと出て、自律神経に乱れが生じ、「秋バテ」と呼ばれる症状を引き起こしやすいのです。小児科の先生によると、主な症状には、体のだるさ、疲労感、胃腸の調子の悪さなどがあるそうです。とうぜん体調がよくないと、やる気も低下します。長引いてしまうと勉強にも影響を及ぼしかねません。まずは、体調を万全にすることを心がけましょう。

秋バテ対策は、生活習慣の見直しから

元気を取り戻すためには、やはり睡眠が欠かせません。やらなくてはいけないことが多いとは思いますが、思い切って勉強を早めに切り上げ、早寝早起きを心がけることも大切です。

睡眠の質をあげるためには、入浴時間や適度な運動も大事な要素です。夏はシャワーで済ませるご家庭が多いかもしれませんが、涼しくなってきたらぬるめのお湯にゆっくりと浸かるのがおすすめです。リラックス効果が快眠をもたらし、体の復調も期待できます。リラックスできる効能がある入浴剤などを使うのもいいですね。

ちなみにわが家の場合は、時々「特別ごほうび!」といって塾帰りに家の近くのスーパー銭湯に行ったりしていました。あまり遊べないこの時期の子どもにとってスーパー銭湯は“プチ旅行”のようで、よい気分転換になったようです。近くにスーパー銭湯があったらおすすめです。

体を冷やさないように気をつける

「食欲がなくなってきた……」というお子さんも、多いかもしれません。夏の間、冷房のきいた塾の教室で長時間過ごしていたはず。またついつい冷たい飲み物や食べ物を口にすることが多かったのではないでしょうか。子どもでも、体の冷えから胃腸をはじめとした内臓の働きが低下していることもあります。昔から言われていることですが、お腹を冷やさないように気をつけましょう。

また、冷房のきいた部屋にいると汗をかきにくく、自律神経の乱れにつながることがあります。朝夕の涼しい時間帯にちょっと汗ばむ程度の軽い運動をすると自律神経も整ってきます。とはいえ、受験生はなかなか時間も取れないかもしれません。朝のラジオ体操や、夜のストレッチくらいでもいいのでぜひ習慣にしてみてください。

体調を整えるには、毎日一定のリズムで生活することが大事です。睡眠・食事・入浴の時間はできるだけ同じにしましょう。丁寧に体を整えていきます。体が元気になってくると、気持ちも上がってきて、徐々に勉強への意欲も高まってくるでしょう。急がば回れですね。


これまでの記事はこちら『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

※記事の内容は執筆時点のものです

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