中学受験ノウハウ 連載 しあわせな中学受験

思ったような成果が出ないときの対処法|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

専門家・プロ
2019年9月03日 中曽根陽子

子どもの成績が上がらない。塾のクラスが落ちてしまった……。そんなときに、皆さんはどうしますか? 当人を責めてもしょうがないと思いつつ、ついつい「このままじゃどこも受からないよ」などと、マイナスの言葉がけをしていないでしょうか? でも、そんな言葉でやる気がモリモリ湧いてくるわけはありませんよね。では、どうしたらよいのか。思ったような成果が出ないときの対処を考えてみました。

中学受験は長距離耐久レース

お母さん方と話すとよく「うちの子ダメなんです」とか「最近成績も落ちちゃって、困ってるんです」という方がいます。そうですよね。塾に通って、勉強だってしていないわけではないのに、思うような結果がでない。そんな状況が続けば、愚痴のひとつも言いたくなる気持ち、よくわかります。

ですが、学年が上がれば上がるほど、勉強は難しくなっていくし、周りも頑張っているので、そう簡単には成績は上がりません。がんばっていても、結果にはなかなか結びつきにくいのです。

しかも、入試がまだ先の5年生くらいだとゴールは見えないし、なんのために、がんばっているのかよくわからなくなっているかもしれません。こんなときは、人と比べるのをやめて、目の前の課題をひとつひとつ解決していくことが大切です。そのときにやって欲しいのが、鳥の目を持つことです。鳥の目とは、物事をちょっと高いところから客観的に眺めてみるということ。鳥の目で、つまずいている原因を探しましょう。

成績が伸び悩む、その原因は?

中学受験は、短距離走ではなく、長距離の耐久レースです。だから、テストの度に、目先の成績に一喜一憂していても仕方ありません。まず気にして欲しいのは、今のお子さんの体と心の状態です。特に夏休み明けは、子どもも大人と同じように暑かった夏のダメージを受けています。見た目には元気そうに見えても、疲れが出やすい時期です。

前回書きましたが、夏休み明けは、自律神経に乱れが生じ、「秋バテ」と呼ばれる症状を引き起こしやすいです。お子さんの様子をよく観察してください。もし、いつもの調子ではないなと感じたら、成績を気にする前に、体調を整えてあげましょう。(その方法のいくつかはこちらに書いたので読んでくださいね。)生活リズムを整えることは大事なことです。

一番効くのは、お母さんからの承認

体の調子が整ったら、もうひとつ大事なことがあります。それは、こころのエネルギーを満たすことです。成績があがらない。クラスが落ちちゃった。そういう状況を一番気にしているのは受験生本人です。

「そんなことはありません。うちの子は、まったく気にしていなくて平気な顔しています」という方もいるかもしれません。でも、たぶんそれは違うと私は思います。誰だって、成績が悪いより良い方が気持ちいいし、頑張っているのに、思うようにいかなければ落ち込みます。感じ方の振れ幅は人それぞれです。子どもに起きていることは、子どもがいちばん知っています。そして「成績や、がんばりのことをお母さんやお父さんがどう思っているか……」も子どもは知っています。

どの子も、人から認めてもらいたいという気持ちがあります。ですから、うまく行ってないときほど、お子さんのこころのエネルギーを満タンにしてあげて欲しいのです。そのためには、お子さんががんばっているところ、できているところに目を向けて、そこを認めてあげましょう。

できたところを見つけて、そのまま伝える

思ったような点数が取れなかったときほどやって欲しいのは、できたところに目を向けて、その事実を具体的に伝えることです。子どもを無理にほめる必要はありません。「この問題よくできたね」とか「計算まちがいしていないね」とか「字がていねいにかけているね」など。ただ事実を伝えてあげるだけでいいのです。

無理に子どもをほめようとすると、ほめる側もストレスになります。また「無理してほめている……」と子どもに伝わりかねません。他方、事実を言うだけなら、大きな負担にはなりません。子どももそのまま受け止められます。

こころのエネルギーを満タンにするのに一番大切なのは、「お母さん・お父さんは自分のことを見てくれている」と、子どもが感じることです。心身のエネルギーが満たされていれば、自分ができていないところに目を向けられます。そうなって初めて、できなかった問題をやり直してみることもできるし、身につきます。思ったような成果が出ず、保護者が焦る気持ちになるかもしれません。そんなときほど落ち着いてほしいと思います。結果を責めるのではなく、一度鳥の目を持って状況を確認し、冷静に対応しましょう。


これまでの記事はこちら『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子 専門家・プロ

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest 」も主宰している。

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