
【中学受験】過去問演習で目標にする目安の得点と活用法
中学受験の勉強で「過去問」は必須アイテムで、その使い方が合否を左右するほど重要なものです。そこで、過去問を最大限効果的に活用するためのポイントを解説します。
Contents
過去問演習で目安にすべき3つの得点
過去問は入試で実際に出題されたものですから、その攻略が合格への近道です。過去問を解いたあとには、必ず自己採点をしましょう。自己採点をすると、実戦的な学習や本番へのシミュレーションをおこなえるとともに、現状を客観的に把握できるので、目標とのギャップが正確に見えてきます。
自己採点をするときの目安になるのが、次の3つの得点です。
【1】 受験者平均点
【2】 合格者平均点
【3】 合格最低点
いずれも年度による変動があるので、最も高い年度の点数を目安にしましょう。超えるハードルは高くなりますが、それを超えられると合格にグッと近くなります。ちなみに過去問の公表・非公表は各中学校次第で、公表されている場合は学校のホームページや、市販の過去問題集で確認できます。
【1】 受験者平均点
その中学校の試験を受けた全受験者の平均点です。合格者も不合格者も全て含めての平均点ですから、この点数をクリアしたとしても、合格するとは限りません。
【2】 合格者平均点
その中学校に合格した受験者の平均点です。合格者全員の平均ですから信憑性が高く、第1に目標とすべきものです。
【3】 合格最低点
その中学校の合格者のうち最も低い点数です。これを下回ると不合格となる、いわゆるボーダーラインですから、最低でもこれをクリアできることを目指しましょう。
公表されている情報が少ない場合は?
「受験者平均点」は、ほとんどの中学校が公表します。しかし「合格者平均点」と「合格最低点」は非公表とされることもあり、この場合は目標設定に困りますよね。大手塾であれば、多くの受験者と合格者の自己採点結果を収集し、自前でボーダーラインを算出します。その点で、大手塾に通うのは情報量の面で有利です。
では、そうでない場合にはどうすべきか?目標もなく漫然と解くと、せっかくの過去問も効果半減です。そのため、自分で目標設定する必要が出てきます。この場合は、「受験者平均点」と「倍率」からボーダーラインが推定できます。
たとえば「倍率2倍」のときは、全受験者のうち半分が合格者となります。したがって、ちょうど真ん中の順位が「合格・不合格」の境目となります。そこで、集団の中央に平均点が位置すると考えると、「受験者平均点=ボーダーライン」と推定できます。
同様に、次のように考えられます。
●倍率が2倍より上→ボーダーラインは受験者平均点より上
●倍率が2倍→受験者平均点がボーダーライン
●倍率が2倍より下→ボーダーラインは受験者平均点より下
厳密には平均値と中央値は異なるので、上記は絶対ではありません。しかし、それでも根拠のある数字なので、何もないよりは参考になるでしょう。
「受験者平均点」さえ公表されていない場合は、まずは70点を目指しましょう。というのも、入試問題は「55〜60点」が平均点となるように作成されていることが多く、平均点から「プラス10〜15点」が合格者平均点と考えられるためです。

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過去問を受験校選びに活用する
受験校を選ぶうえで参考になるのが、模試の判定です。ところが、合否判定が出る模試は大抵12月で終わるので、出願が本格化する1月中旬には判断材料が不足します。
そこで役立つのが過去問です。3〜5年分の採点結果を一覧表にして、合格者平均点・合格者最低点と比較してください。その結果から、以下のように模試の合否判定に近いシミュレートが可能です。
●毎回、合格者平均点を超えている→安全圏
●毎回、合格最低点以上→合格圏
●合格最低点を上回ることもあれば下回ることもある→努力圏
●毎回、合格最低点以下→志望校再考の必要あり
また過去問を通じて、本命校と似たような出題パターンの学校を併願校にするという考え方もあります。そのほうが対策もしやすくなるからです。
このように、過去問は模試による合否判定と同等のシミュレーターになるのです。模試よりも、特定の学校の出題内容・傾向にマッチしていることを踏まえれば、模試より過去問のほうが信用できるという面もあるのです。
過去問の攻略が合格を引き寄せる
過去問を工夫して使えば、合格を手繰り寄せることができます。たとえ模試で不本意な判定が出たり、偏差値が不足したりする学校でも、過去問の使い方次第では逆転も夢ではありません。今回お伝えしたポイントをもとに、過去問を使い倒しましょう!
※記事の内容は執筆時点のものです