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冬休みの過ごし方を学年別に解説! 国語は新学年を意識した勉強を

2019年12月02日 天海ハルカ

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冬休みは2~3週間と短いうえ、クリスマスやお正月といったイベントもあり、机に向かう時間をつくるのも一苦労です。普段なら勉強時間を気にかけている親御さんもバタバタし、気づいたら冬休みが終わっていた、という経験もあるのではないでしょうか。

忙しい時期を充実して過ごせるよう、あらかじめスケジュールをつくっておくとよいでしょう。受験真っ最中の6年生は、とにかく体調管理を第一に、無理せず元気に入試を迎えてくださいね。

冬休みの勉強は「新学年の準備」がポイント

進学塾のカリキュラムからもわかるように、中学受験を目指す子にとっての「新学年」は2月に始まります。年が明けて2月になれば“新学年スタート”と考え、冬休みは現学年の総復習をしながら新学年の準備をしていきます。

塾へ通っているなら、冬休みの学習スケジュールは塾の指示に従ってください。冬期講習もあるため、塾ごとにスケジュールは異なります。予習や宿題をこなしながら通塾していれば、勉強量は十分すぎるほど確保できるはずです。塾で指示された「少し多めの学習計画」をしっかりこなせれば、自信をもって新学年へ進めるでしょう。

【3年生までの冬休み】実体験で知識を広げよう

3年生までの冬休みは、机に向かう勉強よりも季節のイベントを楽しむことを重視しましょう。とくに大晦日を含む年末のイベントやお正月には、日本の伝統が詰まっています。現代では、忙しさもあって簡易的に済ませてしまう家庭も多いかもしれませんが、伝統や常識を経験させるためと思って取り組んでみてください。

大掃除に正月飾り、おせち、初もうで、初日の出、七草がゆ……。教科書や辞書で見るより、実体験をともなったほうが記憶に残ります。ちょっと面倒かもしれませんが、「これぞ年末年始」といった時間を過ごすのは国語の勉強にもつながります。季節のイベントの知識を肌で知ることは、物語の情景を読み解くうえで役に立つからです。言葉の意味は辞書で調べられますが、大掃除の大変さや初日の出の高揚感などは、実際に体験しないとわかりません。覚えにくい「七草」も、「ナズナはおいしかった」「ホトケノザは苦かった」という経験があれば、すんなり頭に入るでしょう。4年生以降は机に向かった勉強が増えるので、3年生までは経験を増やすほうに重きを置いてみてください。

【4年生の冬休み】読解問題に向き合おう

国語は、4年生から5年生に上がると一気に難しくなります。テストの点数が突然大きく下がることも珍しくありません。文章が長くなるだけでなく、内容も複雑化します。たとえば物語文では、4年生までは“現代の標準家庭”が舞台になることがほとんどだったものが、5年生からはトラブルを抱えた友人関係や、複雑な事情をもった家庭が出てくることが増えていきます。

5年生に向けて基本的な漢字や語彙の勉強は続けつつ、読解問題にも丁寧に取り組んでいきましょう。間違えた問題は何が読めていなかったのかを探り、時間が足りなかったのなら、どこで短縮できるか分析します。冬休みは冬期講習といったイベントが入りやすい時期ですが、予定が入りにくい早朝の時間を活用すれば、じっくりと読解問題に向き合えるでしょう。

【5年生の冬休み】語彙を増やそう

6年生になると、勉強の中心は演習に移ります。そのため漢字を練習し、知識を積み重ねる時間はとりづらくなります。5年生のうちに知識を蓄えておかないと巻き返せなくなることがあるので、漢字や語彙をしっかり勉強しておきましょう。

国語の学習で、受験生にとくに差がつきやすいのは語彙です。読解問題も語彙量が少なければ不利になります。語彙は理解度を測りにくいため、どこまでやればよいかわかりにくいですが、語彙の勉強に多く時間を割いて困ることはありません。語彙の問題集を使ったり、過去の読解文でわからなかった言葉をまとめて調べたりしておきましょう。

【6年生の冬休み】体調とメンタルを安定させよう

6年生の冬休みで、もっとも大事なのは健康管理です。早寝早起きに乾燥対策、足元を中心に温かくして風邪をひかないよう注意します。根を詰めすぎると入試の前にモチベーションが下がってしまうことがあるので、勉強は「いつも通り」を貫きましょう。メンタルの安定が重要なので、無理は禁物です。

小学生の場合、冬休みでもまだ‟入試モード”に切り替えられない子も珍しくありません。その場合は合格祈願に神社へ行ったり、志望校の正門を見に行ったりして、気持ちを高めていくのもよいですね。

まとめ

5年生までは、冬休みが終わればすぐに次の学年の勉強に進みます。年末年始を含む冬休みはバタバタしてしまいますが、できるときにコツコツ勉強しましょう。とはいえ、せっかくの年末年始です。受験真っ最中の6年生は別として、5年生までは年末年始の空気をしっかり味わうのもよいものです。充実した冬休みをお過ごしくださいね!

※記事の内容は執筆時点のものです

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