連載 「国語力」が、中学受験を左右する!

入試直前! 国語攻略のポイントを確認しよう|「国語力」が、中学受験を左右する!

専門家・プロ
2019年11月29日 水溜 兼一(Playce)

本連載では、国語の講師として、中学受験を目指す子どもたちを長年指導している南雲ゆりか先生が、国語力アップにつながるさまざまな方法を紹介します。

入試本番は独特の緊張感があります。落ち着いて考えればできる問題を落とすなど、普段では考えられないミスをしがちです。本番で焦らず問題を解くために押さえておきたいポイントをお伝えします。

入試は時間との闘い。時間配分には細心の注意を

入試本番に向けて特に考えておきたいのが、問題を解くときの時間配分です。近年の国語の問題は長文化していて、本文を読むのにかなり時間を要します。しかも本番では「ていねいに解こう」という気持ちがいつも以上に強くなりがち。時間が足りなくなって焦るケースが目立ちます。

過去問演習では、本文を読むのにどれくらい時間がかかるかをチェックし、各問題を何分で解けばよいか、一問ずつ子どもといっしょに確認してください。割り出した時間で子どもに問題を解かせ、時間の感覚をしっかり掴ませることが大事です。

入試では基本的な問題を確実に解いて得点を積み上げていかなければなりません。一つの問題にかけられる時間は限られているので、「捨て問」(捨てる問題)の見極めも重要です。漢字の読み書きや、語句の知識問題で全くわからないものは長考せずに潔く捨てます。意外と悩んでしまうのが、読解文の「書き抜き問題」です。答えにあたる箇所を文中からそのまま抜き出すだけなので見つかりそうな気がしますが、なかには見つけるのが相当難しい問題があります。こちらも長考は避け、次の問題に取り掛かりましょう。

学校によっては問題数がかなり多い場合もあります。でも問題数が多いということは、一問当たりの配点は低いということ。「時間をかけて解いたのに、配点は1、2点だった」ということもあります。時間配分を考えるときは、過去問を参考に配点も意識したいところです。

答えの見直しは全部できればベストですが、時間的にかなり難しいと思います。そこで、書いた答えに自信が無い問題は印を付けてわかるようにしておき、時間が余ったら印をつけたところを優先して点検します。

細かいことですが、時間をロスしないためには問題用紙と解答用紙の配置も大事です。右利きなら解答用紙を右側に置いた方が、問題を読むときも答えを書くときもムダな動きがありません。問題を解いている子どもたちの様子を見ていると、右手を問題用紙の上に置いてしまい、問題を読むたび右肘を上下に動かしたり、左に置いた解答用紙に書き込むために上体をぐいっと左に曲げたり、ムダな動きをしている子がいます。家庭で一度チェックしてみてください。

入試は時間との闘いです。本番で焦らないようにするためには、本番と同じような環境で過去問演習をしましょう。途中でお茶を飲みに行く、音楽を聴きながら問題を解くなど本番でやらないことは絶対しない。緊張感をもって取り組むことが100%の力を発揮することにつながります。

配点ウェートが高い読解問題攻略のポイント

一般的な国語の入試で最も配点が高いのは読解問題です。多くの学校で、物語文と、説明文または論説文から大問が一つずつ出題され、これらで配点の7~8割を占めます。

近年の読解問題は、内容が難しい文章もよく出題されます。特に説明文・論説文は、言語、経済、建築、哲学、AIなど、子どもにはなじみのないテーマも扱われます。抽象表現も多いので内容を明確に理解できず、本文を読んだだけで「ダメだ、解けない」と自信を無くしてしまう子もいます。しかし本文が難しいときは、問題は易しいケースが多いです。落ち着いて問いを読めば、解ける問題は必ずあります。難しい文章に出合っても平常心を失わないようにしましょう。

読解問題を解くときは、「答えは文中にあり」という鉄則を忘れてはいけません。基本的に選択問題も記述問題も、本文に書いてあることを確かめて解答するということです。選択問題では、初めから選択肢の文章を見比べて消去法で答えを選ぼうとします。そうではなく、問題文を読んだらまず本文に戻って答えを探し、それから選択肢を見ること。その方が早く正確に解答できます。消去法は最後の手段と考えてください。

選択問題を解くときには、選択肢の中に「必ず」「いつも」「絶対」「一つもない」など、“内容を決めつける言葉”が出てきたときは要注意。出題者は不正解の選択肢をつくるときにこのような言葉をよく加えます。本当にそう書いてあるか本文を確認しましょう。また、近ごろの入試問題は、選択肢の文章が長めのものが増えています。文章をざっと読んで判断せず、少しずつ区切って読み、内容が正しいかどうか判断しながら読み進めていくことが大事です。

記述問題では、完璧な答えを書こうとしてなかなか書き出せない、または、書いては消してを繰り返すことがよくあります。最初から〇をもらおうとせず、△でいいので部分点を取っていく意識で臨みましょう。

過去問対策の記述問題の採点は、子どもだけで行うと正解か不正解かの判断しにくいところがあります。ぜひ保護者が見てあげてください。その際、答えの解説はしっかり確認を。解説を読んでもわからない場合は、子どもの解答と答えの解説をセットで塾の先生に提出し、採点をお願いする方法もあります。疑問に思ったことはそのままにせず、先生の力も借りて試験に備えましょう。


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※記事の内容は執筆時点のものです

南雲ゆりか
南雲ゆりか 専門家・プロ

南雲国語教室(東京都文京区)主宰。「正確に読む力、伝える表現力」の育成をモットーに小学生の指導にあたっている。東京都生まれ。横浜市の小学校教諭を経て、大手中学受験塾の国語科専任教師に。10年間、最難関コースの指導を担当するとともに、模試や教材の作成にも携わった。主な著書に、『笑って合格する!「中学受験」必勝法』『中学受験の合否を決める! 考える力がつく「国語」勉強法』(いずれもダイヤモンド社)『名探偵コナンの12才までに身につけたい本物の漢字力 1026字』(小学館)がある。現在、朝日小学生新聞で「楽読み楽解き国語の時間」、朝日新聞EduAで「国語のチカラ~読解力アップの教科書~」を連載中。

この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。