中学受験ノウハウ 公立中高一貫校

わが家の公立中高一貫校対策! 特殊算の学習は適性検査で活かせる

2019年12月17日 大沢有貴子

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公立中高一貫校が全国で増えています。2020~22年度にかけて、茨城県で県立中高一貫校が10校開校されることも話題になりました。公立中高一貫校は引き続き人気ですが、一方で興味はあるけど、入学者選抜試験でおこなわれる適性検査の対策方法に迷っている方も多いのではないでしょうか。今回は算数分野に絞り、公立中高一貫校に合格した子をもつわが家の体験とともに、同級生の子の実例も紹介します。

特殊算の知識は適性検査にも役立つ

適性検査は学力検査ではないので、小学校で習わない特殊算のような問題は出題されないといわれます。実際、特殊算を知らなくても解けるように問題は作成されています。しかし適性検査では、中学受験の算数で習う特殊算を使えば簡単に解ける問題が出題されているんですね。「過去問で相当算を見つけた」「流水算もあった」と適性検査を受けたわが子も言っていました。

また、適性検査は出題される問題数が多く、制限時間内ギリギリでやっと解けるような量です。そこで特殊算を使えると、計算時間を短縮できるというメリットもあります。ちなみに、一般的に高校数学で教わる「等差数列」は、中学受験塾の算数の授業で扱われることも多いと聞きます。「等差数列」も、適性検査でよく出題される規則性の問題を解くときに活躍したようです。

公立中高一貫校をめざす多くの子が、私立中学受験コースに通塾していた

塾の講師や知人の話によると、公立中高一貫校をめざすほとんどの子が、わが家と同じく私立中学受験コースに通塾していたようです。そして私立中学を受験する子と同じように、特殊算といった私立中学受験の対策で習うような算数の知識も勉強していたと聞きました。わが子は小6の春休み直前に入塾しましたが、入塾した当初は算数ばかり勉強していましたね。

ちなみに息子の同級生には、公立中高一貫校だけを目指していた子もいますが、少数です。塾に通わずに公立中高一貫校に合格した子は、わが家の周りではひとりだけでした。

わが家でおこなった適性検査対策を振り返ると、算数以外に、以下の対策が功を奏したと感じています。

・作文は書き方に慣れる
・各分野で多く出題される記述問題は、私立中学の受験勉強をおこなうなかで対策
・理科と社会は広く浅く勉強(川や山の名前といった用語や、年号の暗記に力を割かなかった)

一歩進んだ算数の勉強でチャンスが広がる

私立中学受験対策で習うような算数の知識を勉強すると、公立中高一貫校だけでなく、私立中学への進学も見えてきます。たとえば、「算数1教科型入試」をおこなう私立中学が増えています。私立中学受験向けの算数を勉強していると、公立中高一貫校の適性検査の対策になることに加えて、「算数1教科型入試」といった私立中学を受ける機会を増やすことにもつながるんですね。2019年入試では、攻玉社、世田谷学園、品川女子学院、大妻中野などの中学校で「算数1教科型入試」がおこなわれました。昭和学院秀英の入試では、「算数120点・国語80点」といった算数の配点が高い“算数重視型入試”もおこなわれています。

最初は公立中高一貫校をめざすつもりが、私立中学も受けたいと考えることもあるでしょう。そんなとき、特殊算のような知識の習得に取り組んでいればチャンスが広がるかもしれません。

算数を優先的に取り組んで正解だった

わが子の公立中高一貫校合格を振り返ると、私立中学対策で学ぶような算数の勉強をしておいて損はなかったと思います。算数を優先して勉強していたことで、進路の選択肢を増やすことにもつながりましたね。公立中高一貫校を目指そうと考えている場合は、特殊算などの勉強にも取り組んでみてはいかがでしょうか?

※記事の内容は執筆時点のものです

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