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物理分野の「電気」で、まず押さえておくべきこと|なるほどなっとく 中学受験理科

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2019年12月26日 水溜 兼一(Playce)

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学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。

理科の入試問題で頻出する「電気」は、多くの子が苦手としている単元でもあります。電気の問題を解いていくためには、基本回路を確実に理解することが欠かせません。

9種類の基本回路を理解する

入試で扱われる物理分野の代表的な単元は、電気、力学(てこ・ばねなど)、物の運動、光、熱、音などです。どの単元も暗記することは多くありません。原理原則をきちんと理解したうえで、問題を解いていくのが定石です。ところが子どもたちを見ていると、原理原則を理解できていないと感じることが多々あります。基本をおろそかにすると、少しひねった問題が出ただけでつまずいてしまいます。

今回は出題頻度の高い「電気」について、基本をおさらいしましょう。電気の問題は、電池と豆電球を導線でつないだイラストを見て回路図を描かせる基本的なものや、豆電球の明るさを比べたり、回路に流れる電流の大きさを答えたり、電磁石や電熱線を使って電気の性質を考えたりします。

電気の学習は、電池と豆電球をつないだときの電流の流れ方と大きさを、きちんと理解することからスタートします。電池と豆電球のつなぎ方は、並列か直列のいずれかです。あとはそれぞれの組み合わせになります。そして覚えるべき基本回路は次の9種類しかありません(各回路の数字は、電池1個と豆電球1個をつないだときに流れる電流の大きさを1とした場合、各回路に流れる電流の大きさを示しています)。

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小川眞士

小川眞士

  • 専門家・プロ

小川理科研究所(東京都豊島区)主宰。都内の中学校教諭を経て、四谷大塚進学教室理科講師に。開成や桜蔭の特別コースを約25年間担当、コース生28人全員が開成中学に合格した実績を持つ。教務主任や副室長も務めた。2009年4月に小川理科研究所を開設。主な著書に、『中学受験 理科のグラフ完全制覇』(ダイヤモンド社)、『これだけ理科』(森上教育研究所スキル研究会)、『カンペキ小学理科』(技術評論社)がある。

水溜 兼一(Playce)

  • この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。