連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

4年生 塾がない日の勉強はどうする?|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2020年1月23日 石渡真由美

もうすぐ中学受験のスタート学年にあたる4年生の塾通いが始まります。一般的に中学受験塾の4年生コースは、週2日に設定されています。では、塾のない日は勉強をしなくてもいいのでしょうか。

4年生のカリキュラムは比較的ゆるやか。出された宿題は全部やること

中学受験塾では、小学3年生の2月から4年生コースがスタートします。通塾日は週2日が一般的です。4年生の授業は基礎的な内容が中心なので、大きく落ちこぼれることはあまりありません。ただし、小学校の授業のようにクラス全員がわかるまで丁寧には教えてくれません。授業中にどれだけ集中できるかがポイントになります。

塾では毎回授業の後に宿題が出ます。4年生のうちは内容もそれほど難しくありませんし、宿題の量も少なめです(ただし、小学校と比べると多いです)。出された宿題は全部やることをおすすめします。この時点で「こんなにたくさんの宿題なんかできない」と言っているようでしたら、これから先ついていけるかどうか心配です。

中学受験塾は学年が上がるごとに内容が難しくなり、宿題の量も増えます。5、6年生になれば、子どもの学力と体力に応じて、宿題を取捨選択することをすすめますが、4年生のうちは「出された宿題は全部やる」。そうやって、塾の生活に慣れていくことが大事です。

毎日の積み重ねで、計算力と語彙力を鍛える

4年生のうちはそれほど宿題も出されないので、「塾のない日の勉強はどうしたらいいですか?」と4年生の親御さんに質問されることがあります。

4年生のうちは、遊びや習い事をしても大丈夫です。でも、毎日必ず勉強をする習慣はつけておきたいところ。4年生のうちは塾の宿題にプラスで基礎学習をしましょう。算数なら計算練習、国語なら漢字や語句の習得をします。また、音読は是非させておくようにしてください。

音読は学校の教科書でも、塾のテキストでもいいでしょう。できるだけ親御さんいるところで音読をさせます。読んでいるうちに言葉をつかえたり、読み違えたりしたら、すぐその場で正しい読み方を教えてあげてください。また、わからない言葉が出てきたら、意味を教えるか子どもと一緒に調べましょう。このように、言葉は家庭で身に付けていきます。

算数の計算は、市販の問題集などを利用してやり進めていきましょう。分数の計算、小数の計算、単位など、受験算数の基礎をこの時期にしっかり身に付けておきます。ここをおろそかにしてしまうと、5年生以降の応用問題や発展問題を解段階になって必ず困ることになります。

理社は机上の勉強よりも体験学習を

理社は問題集(ドリルなど)に力点を置くよりも、本や図鑑を読む、博物館や科学館などに行くなど、体験を通して学ぶことをおすすめします。なぜならこうした体験の有無が、記憶の定着と密接だからです。

4年生のうちはまだ時間がたっぷりありますから、ぜひいろいろな体験をさせてあげましょう。たとえば理科で植物の学習をしたら、休みの日に植物園や森林公園に行き、実際に見て気づいたことを親子で話し合ったり、調べたりしてみます。社会の地理の学習も夏休みなどを利用して、実際にその地方へ行ってみるといいですね。

子どもを勉強嫌いにさせない親の心得

中学受験というと、遊びたいのを我慢して塾で勉強ばかりしているイメージをお持ちの方が少なくありません。たしかに6年生の秋以降はハードになりますが、4年生のうちはまだまだ遊びが中心の生活です。ところが、塾に通うと定期的にテストがあり、その結果によって親は穏やかな気持ちでいられなくなります。

「4年生の今、こんな成績では上位校を狙えなくなってしまうかもしれない。今のうちに勉強をさせて、成績を上げなければ!」と肩に力が入ってしまう親御さんは少なくありません。しかし、中学受験の準備期間は3年間と長期戦です。今ここで頑張り過ぎてしまうと、途中で息切れをして最後まで走り続けることができなくなってしまいます。

この時期は成績の上がり下がりをあまり気にせず、無理をさせすぎないことです。親御さんの焦りがイライラに変わり、それが子どもに伝わると、「お母さんは勉強のことになるといつも怒ってばかりいる……。勉強って嫌」「勉強するのはつらい」と、勉強嫌いにしてしまうことがあります。

中学受験の勉強は始まったばかりです。4年生は基礎学力をつけることを目標に、無理なく、楽しく勉強ができるように、親御さんは笑顔を忘れずサポートしてあげてください。


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※記事の内容は執筆時点のものです

宮本毅
宮本毅 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)
『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)
『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)
『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。

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