連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

いざ入試が始まったら……。入試期間中の親の大事な3つの役割|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2020年1月08日 石渡真由美

2020年がスタートしました。1月から関西、埼玉、千葉の入試が始まります。東京・神奈川の学校の2月入試はまだすこし先ですが、中学受験は1月から入試期間といえます。この時期、親はどんなことに気を配ればよいのでしょうか?

受験生はもちろん、家族全員の健康管理を

入試で今ある力を最大限に発揮するためには、ベストな健康状態であることが不可欠です。この時期はインフルエンザやノロウィルスが流行する時期。外から帰ったらうがいと手洗い、外出時はマスクの着用を徹底するなど、どこの家庭でも受験生の健康管理には気を使っていることでしょう。しかし、受験生の健康管理ばかりに気を取られ、家族の健康管理が疎かになっていませんか?

会社の新年会で生ガキを食べたお父さんがノロウィルスになってしまったり、きょうだいが学校でインフルエンザに感染してしまったりと、思わぬところで家族が体調を崩し、受験生にうつしてしまう危険性もあります。受験をするのは子ども本人ですが、中学受験は親のサポートなしでは成り立ちませんので、この時期は家族全員が健康管理に気をつけましょう。

また、追い込みのこの時期は、つい無理をさせてしまいがち。弱点をつぶすのに時間がかかり、夜遅くまで勉強をさせてしまうご家庭は少なくありませんが、小学生の子どもにとって一番重要なのは十分な睡眠です。無理をさせず、ベストなコンディションを意識しましょう。

もしものときに備えて、受験校は2パターン用意

中学受験の準備は3年間と長く、親にも子どもにも負担が大きいものです。「これだけ頑張ったのだから、できるだけいい学校へ行って欲しい……」。そう思う親御さんの気持ちもわかります。しかし、成長発達の途中にいる小学生が臨む中学受験は、最後まで何が起こるかわかりません。

私は受験校を選ぶ際、必ずどこかの学校に合格できるように偏差値の幅を持たせることをおすすめしています。理想の受験パターンは、M型かW型です。(詳しくは前回記事『中学受験 受験校は偏差値の幅を持たせて全落ちを避ける』をご覧ください)

1月入試をはじめ、2月1日から3日までの入試日程をどのように組み立てるか戦略を練るのです。M型にしろ、W型にしろ、どちらにも共通していえることは、安全校からチャレンジ校まで偏差値の幅を広く設定し、必ずどこかに合格する学校を入れるということです。

受験校を決めたら、各学校の願書の提出の仕方をホームページで確認しておきましょう。今の時代はネットで前日に出願できる学校もあります。一方で1月中に願書受付を締め切る学校もありますので、しっかり確認しておきましょう。以前、私の教室でお母さんが出願締切日をうっかり忘れてしまい、可哀想なことに第二志望の学校を受けられなかったということがありました。せっかく頑張ってきたのに、そんなことになってしまうのは悲劇です。出願は親の大事な役目です。

中学受験は家族戦。入試期間中は夫婦の連携が大事

入試は短期決戦です。多くの学校では2月1日に試験を実施します。そこで合格が取れれば、その時点で中学受験は終了です。合格発表は当日に出る学校もあれば、翌日に出る学校もあります。学校によっては、Webサイトでの通知はせず、直接学校に出向いて確認をしなければならないところもあります。入試期間中は、子どもの付き添い、合格発表の確認、受験校の願書提出、銀行への振り込みなど、親がやるべきことがたくさんあります。それをお母さん一人でやるのは負担が大きすぎます。ぜひお父さんにも協力を得て、夫婦で連携してください。

また、合否に関しては(特に不合格の場合)事前に子どもに伝えるのか、すべての入試が終わるまで伝えずにいるのかなど、夫婦で話し合っておきましょう。入試期間中に一番避けたいのは、親の焦りです。中学受験は家族戦。親御さんも不安な気持ちを抱えていると思いますが、どうか笑顔を忘れずにお子さんの背中を押してあげてください。


これまでの記事はこちら『今一度立ち止まって中学受験を考える

※記事の内容は執筆時点のものです

宮本毅
宮本毅 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)
『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)
『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)
『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)
『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。

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