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空海や最澄に混乱?「漢字2文字」の仏教僧は分類して覚えよう

2020年2月13日 ゆずぱ

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社会の学習で、似たような用語がたくさん出てくる単元を苦手とする子は多いと思います。その代表例のひとつが「仏教僧」。空海や最澄だけでなく、行基、鑑真、法然、親鸞……、まだまだ出てきますよね。中学入試では、仏教僧を混同して覚えていないか問う問題も頻繁に出てきます。

これら仏教僧を、どのようにとらえたら効率よくスッキリ定着させることができるか解説します。

中学入試の出題傾向

歴史や仏教の解説を読むと、奈良時代から鎌倉時代にかけて、漢字2文字の名前を持つ仏教僧は15人以上登場することがわかります。これら仏教僧は、中学入試でも狙われています。実際の入試問題では、どのような出題傾向があるのでしょうか?

中学入試では「正誤問題」で頻出

中学入試では、「正誤問題」のかたちで仏教僧について問われることが多いです。正誤問題とは、いくつかの説明のなかから正しいものを1つ選ぶ問題のことですね。正誤問題では、知識を混同しがちな単元が狙われます。「誰が何をおこなったか」を混乱しやすい仏教僧の単元は、正誤問題で出題しやすいテーマというわけです。まれに、人物の説明文を読んで僧の名前を選ばせる問題や、僧が主張した思想の名称を答えさせる問題が出題されることもあります。

混乱するのは、奈良時代から鎌倉時代の仏教僧

仏教僧の勉強で受験生がとくに混乱してしまう範囲は、奈良時代から鎌倉時代にかけてでしょう。漢字2文字の名前を持つ15人以上の仏教僧が登場します。多くの知識を覚えないといけない受験生にとっては、これら仏教僧の知識は混同してしまいますよね。このなかから、まずは覚えておきたい10人をピックアップしてみました。以下の10人の僧をしっかり押さえることが、仏教僧勉強の第一歩です!

数が多いものは、分類してみよう

10人なんてとてもじゃないけど覚えられない……、みんな漢字2文字で似たような名前だし……。こうした不安もあるかもしれません。たしかに、10人の僧をやみくもに勉強するのは非効率です。そこで、まずは分類してみましょう。数が多いものでも、分類することで頭のなかにスッキリと知識を収められますよ。では、10人の仏教僧をさっそく分類してみます!

「仏教僧2人×5組」で分類してみる

子供自身が考えながら分類すると頭により定着しますが、今回は筆者による分類例を紹介します。時代や特徴ごとに、仏教僧2人を5組に分類する方法です。

【奈良時代】 行基と鑑真

奈良時代は、行基(ぎょうき)と鑑真(がんじん)を押さえましょう。

行基は、奈良時代の人々に仏教を説いた僧です。ポイントは、聖武天皇が進めた東大寺の大仏づくりの責任者に抜擢されたこと。行基には、僧としての最高位(大僧正)も授けられました。

鑑真も奈良時代の僧ですが、唐(現在の中国)出身の僧です。何度も日本への渡航に失敗し、6回目の渡航でようやく日本に来ることができました。仏教の代表的な宗派のひとつ、律宗の総本山「唐招提寺(とうしょうだいじ)」を開いたことでも有名ですね。

【平安時代】 空海と最澄

平安時代は、空海(くうかい)と最澄(さいちょう)を押さえましょう。

空海は、仏教の代表的な宗派のひとつ「真言(しんごん)宗」を開き、高野山に金剛峯寺(こんごうぶじ)を建てました。

最澄は、同じく代表的な宗派のひとつ「天台宗」を伝え、比叡山(ひえいざん)に延暦寺を建てました。空海と最澄は、宗派と、その総本山となる寺院をセットで覚えるのがポイントですね。

【鎌倉時代(浄土系)】 法然と親鸞

法然(ほうねん)と親鸞(しんらん)は、鎌倉時代に浄土思想の宗派を広めました。

浄土思想とは、簡単にいうと、亡くなったあとに「極楽浄土」と呼ばれる天国のようなところに行くための教えのこと。平安時代中期から世の中が不安定になり、このような浄土思想がとても流行したそうです。

法然は、浄土思想の「浄土宗」を説いた僧です。そして親鸞は、同じく浄土思想の宗派のひとつ「浄土真宗」を説いた僧です。浄土宗と浄土真宗は、現在の日本でも名の知れた宗派のため、聞いたことがある子も多いかもしれませんね。

【鎌倉時代(座禅系)】 栄西と道元

栄西(えいさい)と道元(どうげん)は、鎌倉時代に座禅を基本とした宗派を広めました。

座禅とは、正しい姿勢で座り、心を無にして集中するという修行のこと。テレビなどで、あぐらをかきながら目をつむる僧の様子を見たことがある子もいるでしょう。

栄西は、座禅を修行の基本とする宗派「臨済宗」を広め、道元も座禅を基本とした宗派「曹洞(そうとう)宗」を広めました。

【鎌倉時代(その他)】 一遍と日蓮

鎌倉時代の僧として、一遍と日蓮も押さえましょう。

一遍は「時宗」という宗派を開きました。時宗は、念仏に重きを置いた宗派のこと。踊り念仏(踊りながら仏の名前を唱えること)を広めた僧としても有名です。

日蓮は「日蓮宗」という宗派を開きました。日蓮宗は、法華経(ほっけきょう)という教典を中心とした宗派です。

まとめ

似たような名前が大量に出てくる単元は、上手に分類しつつ、知識を頭のなかにスッキリと収めることが大切です。今回のように分類してみると、仏教僧も整理しやすくなります。中学受験は覚えることが多くて大変ですが、まずは分類することで知識が頭に入りやすくなりますよ。

※記事の内容は執筆時点のものです

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