中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

中学受験 きょうだいで受験に臨むときの注意点|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2020年2月20日 石渡真由美

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中学受験をする家庭は、「より良い環境で学ばせたい」「中高の6年間をのびのびと過ごしてほしい」などの理由から、お子さんを私立中高一貫校へ進学させたいと考えています。それは家庭の価値観なので否定はしませんが、子どもによっては中学受験に向き・不向きがあります。きょうだいによっても違ってくるので、よく見極める必要があります。

「上の子が受験したから、下の子も」は要注意

中学受験を選択するご家庭できょうだいがいる場合、どちらも受験をさせることが多い印象です。「受験の選択=家庭の価値観」ですから自然な流れともいえますが、子どもの受験は慎重に考える必要があります。なぜなら、子どもによって向き・不向きがあるからです。

例えばよくあるケースが、お姉ちゃんと弟のきょうだい。お姉ちゃんは言われたことはきちんとやる子で、苦労せずに受験ができたけれど、弟は宿題をやらせるだけでひと苦労。毎日ガミガミ叱ってばかりで、親御さんの方がグッタリ。――こういったことはよくあります。一般的に女の子は「やるべきことはやる」「コツコツ頑張れる」などの特性があり、受験勉強を進めやすいのです。

一方、男の子は好きなことは集中して取り組めるけれど、興味のないことはやりたがらないなどの特性があります。ただし、これも子どもによって違い、真逆の特性を持つケースもあります。つまり人間一人ひとりに個性があるように、受験に対する向き合い方も違ってくるということです。

中学受験をさせるご家庭のなかには、「お姉ちゃんが私立に行っているから、下の子も私立に入れてあげないとかわいそう」と親の感じる“不公平感”から受験をさせることがあります。しかし、私はこの考えには反対です。「私立は素晴らしくて、公立はダメ」というわけではないですし、どちらの環境にもメリット・デメリットはあります。

大事なのは、

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。