連載 しあわせな中学受験

外出自粛中、ストレスをためないために知っておきたい3つのこと|しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

専門家・プロ
2020年4月23日 中曽根陽子

新型コロナウイルス拡大防止のため、学校や塾も休校になり、子どもたちも不自由な生活を強いられています。外出自粛が長引くなかで、子どもたちが不調を訴える例も出ているようです。まだしばらく続くであろうこの状況を元気に過ごすためのヒントを紹介します。

生活リズムが崩れてしまったら、早起きで強制リセット

首都圏では、学校の休校措置が始まってすでに1ヶ月半以上が過ぎ、さらに学習塾も休講措置がとられ、家庭学習に関する不安を耳にすることが多くなってきました。特に受験を予定している6年生のお子さんを持つご家庭では、学習の遅れなど心配されていることと思います。その一方で、眼の前でダラダラしている子どもを見ているとイライラしてくるという声も耳にします。

ダラダラの原因のひとつとして、自宅待機が長引くなかで、徐々に生活リズムが乱れてきている事が考えられます。お子さんは、通学をする必要がなくなって起きる時間が遅くなっていませんか? 生活リズムの乱れは、体だけでなく、心の不調も招きます。ここは早寝早起きを意識して過ごしたいものです。

脳には、一日の生活リズムを整える体内時計がありますが、人間の場合、約25時間を一日とカウントするように仕組まれているので、ほうっておくと1時間ずつズレてしまいます。このズレが大きくなってくると、時差ボケと同じような状態になり、体の不調となって表れます。乱れたリズムを取り戻すためには、毎日決まった時間に起きることから始めましょう。

体内時計のズレを調整するのが目に入る朝日です。朝は決まった時間に起きるようにしましょう。夜ふかしの癖がついている場合、最初は睡眠不足になるかもしれませんが、1週間くらいで夜も早く寝られるようになります。お子さんにもこのことを説明して、学校に通っている時と同じ時間に起きて、気持ちよく一日をスタートさせましょう。

運動不足はゲーム感覚で解消

自由に外遊びができないのも、辛いですね。運動不足も、夜ふかしの原因になったりしますから、なにか工夫をして体を動かしたいものです。

アスリートたちが自分のトレーニング風景を公開していたり、無料で見られる動画レッスンもたくさんあるので、そういうものを見ながら、やったことのない運動に挑戦するのもおもしろいかもしれません。

先日、私が主催するマザークエストで「みんなで考えよう! 休校休園中の子どもの生活」をテーマにオンラインカフェを開催して、アイデアを出し合いました。人の少ない朝、家族で走っているという人や、ラジオ体操を日課にしているという人もいました。また、運動すごろくを作って、子どもと一緒に罰ゲーム感覚で、腕立てふせや、スクワットなどの運動をしているという人もいました。

「生まれつきの運動オンチは存在しない」という、スポーツバイオメカニクス研究の第一人者深代千之先生は、「運動をすることで脳が育つ。スポーツがうまくなりたい人は、まず手先の器用さを身につけることに挑戦するといい」(※2)とおっしゃいます。外で思いっきり体を動かしにくい今、けん玉やビー玉、メンコ、お手玉、紙鉄砲など、昔からある遊びに親子で挑戦してみてはいかがでしょう。ぜひいろいろ工夫をして、楽しみながら体を動かしましょう。

今日あった良いことを、家族で紹介しあってみよう

最後に、心の健康を保つ方法を紹介しましょう。それは、物事の良い面に注目するということです。今のコロナ危機。学校も休校になって、自宅待機が長引くなど、これまで経験したことのない大変な状況に直面しています。

不安な気持ちになるのは仕方のないことですが、見方を変えれば、時間の余裕ができて、今までやれなかったことをやるチャンスかもしれません。教育改革のテーマは探究ですが、まさに今は教科書の勉強と離れて、興味のあることを探究する時間にできたらいいですね。

実際、前述のオンラインカフェで、「最近あった良いこと」を話してもらったところ、一番多かったのが、「これまで学校と塾と習い事を掛け持ちしていて、その送り迎えや宿題のチェックなどで忙しかったけれど、時間の余裕ができたのが良かった」ということでした。

皆さん、子どもとお菓子を作ったり、映画を見たり、ボードゲームを楽しんだり、ピクニック気分で、ベランダでご飯を食べたりしているそうで、制限があるなかで楽しみを見つけていらっしゃいました。そんな話を聞いていて、私も嬉しくなりました。

実は、よいニュースを関心を持って聞くと、つながりが深まり、幸福度も高まります。お家でも、夕食を囲みながら、その日にあった良かったことを紹介しあってみませんか?

そのときに、お子さんの強みに注目して、見つけたことを伝えてあげるとなお良いですね。実際、親が子どもの良いところに目を向けてそれを伝え、子どもが力を発揮するようになると、「子どもの人生満足度が高く、ストレスが低い」「子どもの成績が伸びる」というデータ(※1)があるそうです。

いつまで続くかわからず不安な気持ちになりがちですが、ピンチはチャンス! 自宅待機の今は、忙しかったときにはできなかったことをする絶好の機会です。どうせなら前向きに捉えて、コロナ危機を乗り越えていきましょう。

■参照
※1『世界に通用する子どもの育て方』松村亜里(WAVE出版)
※2 わが子の運動神経を伸ばすなら「2つの器用さ」に注目しよう――東京大学大学院・深代千之教授(やる気ラボ)


これまでの記事はこちら『しあわせな中学受験にするために知っておきたいこと

※記事の内容は執筆時点のものです

中曽根陽子
この記事の著者
中曽根陽子 専門家・プロ

教育ジャーナリスト。小学館を出産のため退職後、「お母さんと子供達の笑顔のために」をコンセプトに数多くの本をプロデュース。子育て中の女性の視点を捉えた企画に定評がある。教育雑誌から経済誌、紙媒体からWeb連載まで幅広く執筆。中学受験に関しては「受験を親子の成長の機会に」という願いを込めて『1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい』『後悔しない中学受験』(共に晶文社)『子どもがバケる学校を探せ』(ダイヤモンド社)などを執筆。教育現場への豊富な取材や海外の教育視察を元に、講演活動やワークショップもおこなっており、母親自身が新しい時代をデザインする力を育てる学びの場「Mother Quest」も主宰している。近著は『成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方』(青春出版社)

1歩先行く中学受験 成功したいなら「失敗力」を育てなさい 成功する子は「やりたいこと」を見つけている 子どもの「探究力」の育て方