連載 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

2020年の学校選びのポイント ―― 親子で疲弊しない「ノビノビ中学受験」

専門家・プロ
2020年7月14日 やまかわ

中学受験と聞くと、難関校を目指す受験がどうしてもイメージされます。しかし、そうではない、あるいはそのやり方に疑問をもつご家庭は少なくないでしょう。この連載では、『ゆる中学受験 ハッピーな合格を親子で目指す』の著者である亀山卓郎先生に、親子で疲弊しない中学受験をテーマにさまざまなお話を伺います。

今年は春先に休校になった影響で、8月も授業が実施される小学校が多いようです。例年であれば、夏休みの間に受験勉強に集中して力をたっぷりと蓄えることができましたが、今年は受験勉強と学校の授業を両立させなくてはなりません。さらに今年は、学校選びも前倒しで行う必要があります。

夏の間に受験校を探しておく

私の塾(進学個別桜学舎)が対象とする中堅校狙いの子の受験では、秋以降にゆっくりと志望校を固めていくのが例年の流れでした。しかし今年は滑り止めも含めて、早めに受験校を絞っていかなくてはなりません。

多くの学校説明会が規模を縮小

2020年7月時点で、秋以降の学校説明会の多くが規模を縮小しています。今年は、合同説明会のような大人数が一カ所に集まるようなイベントの開催もむずかしいでしょう。そのため、私がおすすめする学校選びの方法のひとつ、合同説明会に行ってパンフレットをたくさん集め、そのなかから興味のある学校とそうでない学校を仕分ける、という方法も今年はできないかもしれません。つまり今年は、「秋以降に説明会に参加し、受験校を考える参考にする」といったことが十分にできなくなる可能性が高いのです。

そこで大切になるのが、受験校を早めに考え始めること。そして、オンライン説明会を含め、夏の間に開催される説明会の機会を逃さないことです。そのうえで、「気になった学校を調べてみたけど、すでに説明会が終了していた」という事態は今年は特に避けたいところ。そのため、とにかく早めに動き出すことが肝心です。興味の持てる学校を親子でリストアップしてインターネットで検索するなど、説明会の日程を早めにスケジュールに組み込むようにしましょう。

受験校を早めに決めるメリット

学校選びを早めにおこなうことは、受験に対する子どものモチベーションを早いうちから高めることにもつながります。

「志望校LOVE」が受験を乗り切る力に

「どうしてもこの学校に行きたい!」という強い気持ちは、受験勉強を乗り切る力となります。これは、以前お伝えした「志望校LOVE」の状態です。そして「志望校LOVE」の状態となるためには、学校の雰囲気を肌で感じることが欠かせません。たとえば、文化祭に行ったときに部活を体験してその学校に惚れる、学校説明会で校門の前に立ったときにその学校に惹かれる、といったことも少なくないのです。

しかし今年は、学校生活や雰囲気を直接体感できる機会が限られてしまうかもしれません。しかし、オンライン説明会に参加するだけでも「志望校LOVE」に近い状態に持っていくことはできます。ポイントは「先生との相性」です。

先生との相性も、志望校を決めるポイントに

オンライン説明会では、教師や広報担当による学校の説明だけでなく、先生と直接話ができる「個別相談」の時間が設けられていることがあります。つまりこの時間を使って、先生の雰囲気に触れ、相性を確認する機会とすることができるのです。

オンラインで話した先生の印象がとても良ければ、「この学校に入りたいなぁ」と親子ともに思えることがあるでしょう。一方で、興味のある中学校の説明会に参加したけど「先生が怖かったから行きたくなくなってしまった」という子も、私の教え子のなかにはいました。このように学校の先生の雰囲気というのは、実は志望校選びの大切な要素なのです。

オンライン説明会に多く参加しよう

学校説明会では、先生の雰囲気はもちろん、その学校に“興味を持つきっかけ”が多く用意されています。たとえばオンライン説明会では、普段の生活の様子を在校生から聞ける時間があったり、実際に通学している子の保護者から子どもの様子を話してもらう機会があったりと、参加者が学校全体をイメージしやすくなるような時間が設けられていることもあります。

前述したとおり、今年は学校の雰囲気を知ることができる機会が限られています。ですから、学校の様子を知るための貴重な機会として、できるだけたくさんのオンライン説明会に参加してみてください。そのなかで興味の持てる学校が出てきたら、もう一度その学校の説明会に参加してみたり、塾の先生に評判を聞いてみたりと、その学校の情報をどんどん深堀してみると良いですね。そのうえで、「素敵な先生がいるんだな」「こんな先輩みたいな学校生活を送ってみたいな」と思える学校を1校でも多く見つけましょう。

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※記事の内容は執筆時点のものです

亀山卓郎
亀山卓郎 専門家・プロ

かめやま たくろう|明治学院高等学校、成城大学卒業。大手塾・個人塾などで教務経験を積んだ後、2007年に転居のため千葉県及び江戸川区の塾を閉鎖し、台東区上野桜木で「進学個別桜学舎」をスタート。首都圏模試の偏差値で60を切る学校への指導を専門に「親子で疲弊しないノビノビ受験」を提唱している。TJK東京私塾協同組合員、第一薬科大学付属高校上野桜木学習センター長。YouTube「下町塾長会議」構成員。著書「ゆる中学受験ハッピーな合格を親子で目指す」(現代書林)、「めんどうな中学生(わが子)を上手に育てる教科書」(ブックトリップ)、構成・問題監修「LIZ LISA Study Series中1/中2」、監修「おっぱっぴー小学校算数ドリル」(KADOKAWA)

この記事の著者

編集・ライター。学生時代から都内で6年間塾講師を務める。塾講師時代は、おもに作文・国語・英語の科目を担当。小学生から中学生までの指導にあたる。現在は編集・ライターとして教育関連をはじめ、街歩き・グルメ記事の執筆取材をおこなう。