
得点に一喜一憂しない合否判定模試の見方・活かし方|今一度立ち止まって中学受験を考える
6年生は9月~12月まで毎月1回、志望校の合格可能性がどのくらいかを測る合否判定模試を受けます。合格可能性○%と現実的な数字を叩きつけられてしまうと、心穏やかではいられませんが、実は見るべきものはそこだけではないのです。
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合格判定模試 最初に見るべきは各教科の正答率と本人の○×
9月~12月にかけて、毎月1回実施される合否判定模試。お子さんの模試の結果が戻ってくると、真っ先に見てしまうのが、偏差値と合格可能性が何パーセントであるか。その結果に親は一喜一憂してしまいがちです。
しかし、模試の結果が戻ってきて、まずチェックしておきたいのは、それらの数字ではありません。各教科の答案を見て、お子さんがどの問題をどのように間違えてしまったかをチェックして欲しいのです。その時に、その問題の正答率もチェックしてください。
たとえば偏差値50台の学校へ進学を希望している場合、正答率50%以上の問題は解けるようになっていなければいけません。そこを間違えてしまったということは、基礎が理解できていないことが考えられます。偏差値60台の学校を狙うのであれば、正答率30%以上の問題も解けるようになることが望ましいでしょう。
逆に偏差値50台の学校を希望している子が、正答率30%の問題が解けていた時は、大きな褒めポイントになります。そうやって、全体の結果を見るのではなく、各教科の各問題がどれだけ正解できたかに目を向けましょう。
基礎問題の穴はテキストに戻って必ず振り返る
ここで大事なのは、正答率が高い基本的な問題がなぜできなかったかです。単純なケアレスミスの場合もありますが、そもそもその単元の概念を理解できていない可能性もあります。そこで、「基礎問題の穴」は必ず昔のテキストに戻って振り返りをするようにします。
それを子どもだけでやるのは難しいと思いますので、親御さんがまずテキストを見て、ここはしっかり覚えておかなければいけないというポイントのページに付箋紙を貼り、それをお子さんにやらせてください。成績優秀な子と、そうでない子の差というのは、この振り返りがきちんとしているかどうかで決まるのです。
模試を受ける一番の目的は、この「基礎問題の穴」を見つけることです。模試で見つけた「基礎の穴」は、入試直前までには必ず埋めるようにしましょう。
「模試の成績はいいけれど、過去問で得点が取れない」は要注意
模試の成績はいいけれど、過去問になると得点が取れない子がいます。「模試の結果で合格可能性が70%なのに、なぜ?」と不思議に思うかもしれませんが、模試は様々な学校の入試類問が混ざり合ったものなので、志望する学校によっては、実際の入試問題と大きくかけ離れていることがあります。そういう場合、模試の結果はあまりアテになりません。
中学受験の最終ゴールは志望校に合格することです。ですから、その学校の過去問で得点が取れるかどうかの方が重要なのです。過去問は第一志望校であれば過去5、6年、第二、第三志望校であれば過去3年分は取り組んでおきましょう。そうやって志望校の問題傾向を分析し、慣れておくことが大事です。模試は「基礎の穴」を見つけるためのツールとして、過去問は入試問題に慣れるためのツールとして、使い分けで活用しましょう。
直前期はマラソンのイメージ。 焦らず自分のペースで前へ
毎日頑張って勉強しているのに、なかなか成績が上がらない……。秋から入試本番までは、受験生にとってしんどい時期だと思います。頑張っているのになかなか成績が上がっていかないのは、ほかの受験生もみな頑張っているからです。マラソンと同じで、周りの受験生も走っています。自分の順位がなかなか上がっていかないのも当然のことです。毎月戻ってくる模試の結果を見るたびに、気持ちが焦ったり落ち込んだりすることもあるでしょう。
でも、ここで偏差値は追わないことです。集団のなかで自分がどの位置にいるのかにこだわりすぎてしまうと、気持ちが浮き沈んでしまい、勉強に集中することができません。勝負はそこではなく、自分の志望校に合格することです。そのためには、模試の結果にとわれすぎず、過去問対策をしっかり行うことが大切です。
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