中学受験ノウハウ 志望校選び

【コロナ禍の中学受験】想定外の事態で勉強に遅れ……志望校は見直すべき?

2020年10月06日 吉崎 正明

新型コロナウイルスの影響で、想定外の休校、休塾が続き、心配な日々を過ごしている方は多いと思います。勉強の遅れから、志望校の見直しを考えている親子も少なくないでしょう。しかしコロナ禍であっても、「志望校の軸はブラさない」という受験の基本は変わりません。現役塾講師の私が、現在の状況を踏まえたアドバイスをお伝えします。

「ウチだけが不利」という状況ではない

「コロナ禍で勉強量が減ったから……」という理由で、志望校を変える必要はないと私は思います。なぜならコロナ禍は、合格率に大きな影響を与えないと考えるからです。

コロナ禍が受験生に影響を与えているのは、学習の遅れです。そして学習の遅れは、ほとんどの受験生に起きています。影響が受験生全体にわたっている以上、「ウチだけが不利な戦いをする」という状況ではないのですね。結局は、第一志望校とする学校の受験生のレベルは同じ、ということ。勉強量の減少だけを理由に第一志望を変更するのは尚早ともいえるのです。

学習の遅れも、取り戻しつつある

塾や家庭教師の工夫、家庭の理解もあり、授業も再開しています。夏休み前から授業を再開できた塾も多いため、受験に必要な学習カリキュラムも消化が進み、遅れも少しずつ取り戻しつつあります。今年の夏休みは短かったとはいえ、受験に必要な学習内容をひと通り指導できた塾や家庭教師も多かったのです。

もちろん例年と比べ、夏休みに演習量の確保ができなかった塾は少なくなかったようです。それでも、実際に塾の教壇に立つ私から見るに、勉強の遅れは最小限に留めることができたように感じます。いずれにせよ演習量は秋以降に増えていくため、演習不足についてもそこまで心配はしていません。

志望校を見直すとしたら?

やむを得ず志望校を見直す場合は、以下の3つを意識してください。

・あくまで成績や相性で決める
・「併願作戦」は慎重に考える
・入試情報にアンテナを張る

あくまで成績や相性で決める

志望校は、模試の成績や、学校と子供との相性で決めるのが“鉄則”です。そのため「コロナ禍で勉強が遅れそうだから」という理由で志望校を変更するのは、前述した通りおすすめできません。中学受験は、あくまで入試当日の点数などで合否が決まるものだからです。つまり、これまでの成績や偏差値で決める、という志望校選びの軸は変わらず、子供と学校との相性も変わらず大切な要素です。くれぐれも、「この学校はコロナ禍で倍率が低くなりそうだからチャンス」などと考えないようにしましょう。

「併願作戦」は慎重に考える

併願校の戦略を立てること、いわゆる「併願作戦」は、今年は特に慎重に考えてください。コロナの流行が拡大すれば、1月入試を予行演習として受ける、といった併願作戦を取ることは難しくなる可能性もあります。ただしそうは言っても、合格が取れない日が続くと感染リスクも高まる場合もあることから、できるだけ早いうちに合格は手にしておきたいところ。そのため今年は、偏差値に少し届かないような「チャレンジ校」をメインとした併願作戦ではなく、確実に合格できる学校も十分に視野に入れた、堅実な併願作戦を考える必要がありそうです。

入試情報にアンテナを張る

志望校の入試情報には常にアンテナを張り、最新情報を逃さないようにしてください。2021年度の入試要項が順次発表されていますが、この先、感染状況がどうなるか予測がつきません。そのため、入試日程や出題範囲が変更される可能性は入試直前まである、と考えておいたほうが安心です。そして変更に素早く対応できるように、志望校の入試情報には特に注意を払っておきましょう。

勉強の遅れを取り戻すためのポイント

コロナ禍のなか、勉強の遅れをなんとか取り戻そうと考えている親子も多いことでしょう。勉強の遅れを取り戻すためのポイントを紹介します。

・復習を重視
・スキマ時間を活用する
・「わかる」を、「できる」へ

復習を重視

勉強の遅れを取り戻すには、復習が大切です。たしかに予習も大切ですが、予習に集中するあまり、復習がおろそかになってはいけません。復習は、勉強した内容を定着させるために不可欠なものだからです。秋になると6年生は新しい単元などを学習することはほとんどなくなるので、復習に重点をおいた学習がよりできるようになります。ちなみに参考書は何冊もこなすのではなく、1冊に絞り込み、その1冊をくり返し復習すると効果的です。

スキマ時間を活用する

スキマ時間を活用し、勉強の穴埋めも行いましょう。特に今年の受験生にとって、空いた時間をどう使うかは、失った学習機会を補うカギとなりそうです。スキマ時間の使い方次第で、ほかの受験生と差をつけることもできます。塾はもちろん、家で何気なく過ごしている時間も勉強に使えないか、ぜひ考えてみてください。

「わかる」を、「できる」へ

塾の授業を聞くと、そのときはわかった気になるものです。しかし「わかる」で終わってしまい、「できる」まで到達しない子は少なくありません。そこで勉強を終えたら、数時間後、または翌日などに復習し、「できる」状態になっているか確認するようにしましょう。受験において、「わかる」を疑うことは欠かせません。「できる」に到達することを意識して勉強してみてください。

※記事の内容は執筆時点のものです

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