中学受験ノウハウ 連載 今一度立ち止まって中学受験を考える

合格を手に入れるための過去問の上手な使い方|今一度立ち止まって中学受験を考える

専門家・プロ
2020年10月28日 石渡真由美

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入試対策に欠かせない過去問。でも、どのように取り組めばよいのかわからず、困っているというご家庭も多いことでしょう。そこで今回は、過去問を取り組む際に気をつけるべきポイントをお伝えします。

入試傾向と時間配分をつかむ

過去問は何のためにやるのでしょうか? まず第一の理由は、志望校の入試傾向をつかむためです。一般的に中学受験の勉強は、小学4年生から6年生の入試本番まで約3年をかけて準備をしていきます。これまでの勉強は、塾で中学受験に必要なことを単元ごとに学び、問題演習を行うというものでしたが、ここからは入試問題で得点するためのより実践的な学習に切り替えていかなければいけません。そのために必要なのが、入試傾向をつかむ必須アイテムである過去問です。

過去問に取り組む際は、入試本番を意識することが大切です。そのため制限時間は必ず守りましょう。はじめは問題を解くのに時間がかかって、最後まで答案を埋めることができないこともあります。しかし、こうした失敗を経験することで、「計算問題はもっと速く解かなければ!」と気づいたり、「頭からやるのではなく、解ける問題からやっていこう」と戦略を練ったりすることができます。そうやって、時間配分をつかんでいきます。

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宮本毅

宮本毅

  • 専門家・プロ

1969年東京生まれ。武蔵中学・高等学校、一橋大学社会学部社会問題政策過程卒業。大学卒業後、テレビ番組制作会社を経て、首都圏の大手進学塾に転職。小学部および中学部で最上位クラスを担当し、多数のトップ中学・高校に卒業生を送り込む。2006年に独立し、東京・吉祥寺に中学受験専門の「アテナ進学ゼミ」を設立。科目間にある垣根は取り払うべきという信念のもと、たった一人で算数・国語・理科・社会の全科目を指導している。また「すべての子どもたちに自発学習を!」をテーマに、月一回の公開講座を開催し、過去3年間でのべ2000名近くを動員する。若い頃からの変わらぬ熱血指導で、生徒たちの「知的好奇心」を引き出す授業が持ち味。YouTubeチャンネル「アテナチャンネル」を運営。

■著書

『はじめての中学受験 これだけは知っておきたい12の常識』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 同音異義語・対義語・類義語300』(中経出版)『文章題最強解法メソッド まるいち算』(ディスカヴァー・トゥエンティーワン)『中学受験 ゴロ合わせで覚える理科85』(KADOKAWA出版)『中学受験 ゴロ合わせで覚える社会140』(KADOKAWA出版)『ケアレスミスをなくせば中学受験の9割は成功する』(KADOKAWA出版)『合格する子がやっている 忘れない暗記術』(かんき出版)

石渡真由美

  • この記事の著者

フリーライター。子供の誕生をきっかけに、わが子の成長に合わせ、ベビー雑誌、育児・教育雑誌、塾専門誌で取材執筆。6年前に子供の中学受験を経験したものの、国立大学の附属中学で併設高校が無かったため、その3年後に“高校受験生の母”、またその3年後に“大学受験生の母”も体験。中・高・大の3つの受験を知る受験ライター。