習い事と受験勉強の両立・絞り込み ―― 中学受験との向き合い方
習い事の時間を、受験勉強に当てたほうが良いのではないか。子供の受験勉強と習い事の両立は多くの方が悩まれる問題でしょう。しかし習い事があることが、受験勉強に良い影響をもたらすこともあります。今回はそんな観点から習い事と受験勉強を捉えてみます。
リフレッシュとしての習い事
算数で覚えた公式を使って問題を解いたり、国語で注意深く本文を読んで選択肢を絞ったり……。受験勉強は脳が疲れる作業の連続です。なかには疲れを感じず、勉強を「快感」だと感じる子もいるでしょうが、そういった子はごく少数派。大部分の子はこうした作業が積み重なると、疲労が蓄積され脳の働きも悪くなります。
習い事の良い面は、そうした脳の疲れを癒す一面があることでしょう。たとえば、ピアノや絵描きなどは勉強と違う部分の脳を使うことで、気持ちをリフレッシュできます。習字であれば、心を落ち着かせたり精神集中をしたりして、気分を一転するのに役立つかもしれません。
私は受験勉強中もフォルティッシモ(音楽用語で「目いっぱい強く」という意味)のような瞬間がある行為をするのはよいことだと思っています。たとえば、全力で走る、全力で投げる、全力で蹴る、全力で踊る、全力で唄うなどです。このように「全力」を出し切って何かに打ち込むことの、爽快感はまさに「快感」です。この快感が勉強の疲れをリフレッシュさせ、心機一転、立ち向かう原動力になることがあります。
習い事の数を絞り込む理由と方法
とはいえ、習い事をたくさんやればリフレッシュできて、受験勉強もはかどる、というわけではありません。3つも、4つも並行して続けていたら、当然勉強の時間がなくなりますし、体力的にもハードでしょう。それぞれの習い事がわが子にどんな良い影響を与えているのか、子供がどれほど夢中になれるのかを考え、絞り込む必要があります。その絞り込み作業は、わが子に優先順位のつけ方という大切なスキルを学習させる好機でもあります。
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