連載 桜井信一の中学受験相談室

テストのたびにクラス落ちが続く子供。わが家の勉強方法の何がダメなのでしょうか?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室

専門家・プロ
2020年12月22日 桜井信一

『下剋上受験』でおなじみ、桜井信一さんが中学受験を考える親御さんのさまざまな悩みに答えます。今回は小4のお子さまをもつ親御さんからの相談です。

今回の相談

初めまして。SAPIXに通う小4女子の母です。

娘は小3の2月から塾に通いはじめました。中位クラスからのスタートでしたが、テストをするたびにクラス落ちが続き、今や下位クラスの常連になってしまいました。

本人も焦りを感じたのか、ここ3回のテストは私が見てもかなり頑張りが伝わってくる状態でした。塾のテキストや小テストの正解率が上がり、本人も自信を持ってクラス分けテストに臨むのですが、全く成果が出ずに悔し泣きで下位クラスへ行く…この繰り返しです。

なんとかして「努力が実る」ということを実感させてあげたいです。そうなった時にスイッチが入るのでは、と考えています。そのためには、どのような勉強方法が良いのでしょうか?また、今までの勉強方法の何がダメだったのでしょうか。教えて頂けると助かります。

(※1週間の大体のスケジュールです)

  1. 塾から持ってきた教材を見て私が1週間のスケジュールを決める
  2. 毎朝、漢字学習と基礎トレーニング
  3. 塾のない日→テキスト、白地図、言葉ナビ
  4. 塾の日→帰宅後テキストをざっと読み、白地図、言葉ナビ
  5. 週末に算数テキストをもう一度、小テストを復習

どうぞよろしくお願いします。

相談者:ハイジ
お子さまの学年:小4


桜井さんの回答

ハイジさま、こんにちは。

毎年どれくらいの子が塾に行き、中学受験すると思いますか。大手塾にどれくらいの生徒数がいるのか、今の時代はネットで調べるとすぐにわかります。首都圏のSAPIXだけでもかなりの生徒数です。

その中には真面目に頑張っている子もたくさんいるのです。しかし、6年生の冬に難関中学と呼ばれるところにたどり着く子は1割もいません。どうしてでしょう。

算数の問題を解く→繰り返す、暗記ものをやる→繰り返す、この勉強方法は多くの子がやっています。それなのに伸びない。テストで点が取れないのです。ハイジ様の家だけなく、多くのご家庭がスケジュールも立てているでしょう。でも結果が出ないのです。

そろそろ気づいても良いころなのに、ほとんどみんなが受験まで気づきません。「その勉強は成果につながらない」と毎年多くの子が証明しているのに気づかず、この方法をやめないのです。「正しそうだから」という理由と「他に思いつかないから」というのがその理由です。

理解していないものは身につかないのです。からだに塗っただけで沁みこんでいないのです。数日空けただけで、塗ったものは剥がれてきます。そしてまた塗り直し。その繰り返しを「勉強」だと思っているのです。

4年生の算数だと、計算だけでなく角度も習います。図形も習い、立体や規則性も習いますよね。そこに不思議な法則や発見なんてないでしょう。本当はあるのですが、気付いていませんよね。

割り算は包含除と等分除があります。言葉は知らなくて良いのですが、2つあることに気付いているでしょうか?分数を習いましたよね。真ん中の棒は何という名前でしょうか?知らないままで面白いでしょうか。私なら挫折します。

多くの子が解き方を教わってから解きます。25×4と言われれば計算し、24×8と言われれば計算しているのです。最大公約数を計算しなさいと言われれば計算し、面積を求めなさいと言われればそうする。このように、普通は問題を見て何も思わないのです。ここで何かに気がつく「ごく一部の子」だけが賢くなる、そういう仕組みです。

私の経験では、6年生の算数を説明するのと、4年生の算数を説明するのとでは、4年生の方が大変なのです。殺風景すぎる問題に派手な景色をつけるのに苦労します。そうしないと多くのことに気づいてくれないからです。勉強は驚くほど面白く刺激的なのに、ほとんどの子がそこに気づいていません。だから「剥がれては塗って」の繰り返しになるのです。親が勉強を研究のように変えてあげる努力をしないと、この繰り返しがずっと続く可能性が高いでしょう。

どうでしょう、もう一度落ち着いて考えてみませんか。算数をもっと面白く説明できないか、考えてみてください。すると子どもはいつか気づきます。言葉には出来ないけれど何となく賢くなるコツ、成果に結びつくコツに気づくでしょう。親も根気よく、です。


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※記事の内容は執筆時点のものです

桜井信一
この記事の著者
桜井信一 専門家・プロ

オンライン塾「下剋上受験塾」主宰。中卒の両親のもとで育ち、自らも中卒になる。 娘の下剋上のために一念発起して小5の勉強からやり直す。塾には行かず、父娘の二人三脚で偏差値を41から70に上げ、100%不可能とされた最難関中学「桜蔭学園」を目指した。その壮絶な受験記録を綴った『下剋上受験』はベストセラーに。 2017年1月には待望のドラマ化。学習講座「桜井算数教室」「国語読解記述講座」にはのべ2000人の親子が参加し人気を博した。2020年、オンラインの「下剋上受験塾」を立ち上げた。

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