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消化管のイメージはまるで“ちくわ”? 人のからだの仕組み「消化と吸収」理解のための第一歩|なるほどなっとく 中学受験理科

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2021年12月13日 水溜 兼一(Playce)

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学習範囲が広く、難しいイメージがある理科の中学入試問題。難関校に多くの子どもを合格させてきたカリスマ講師・小川眞士さんが、子どもの理科力を育むためのヒントを伝えます。

入試理科では、理科的思考力が求められます。子どもの理科的思考力を養うためには、普段から身の回りのいろいろな事象に興味を持ち、その原因を理科的視点で捉える姿勢が大切です。今回は、さまざまな事象のなかから「消化と吸収」にフォーカスして、小川先生にお話いただきます。

「消化」は体の外で行われている!?

消化とは、食べ物などが体内に吸収されやすいように、細かい物質に分解することです。消化の学習では、食べたものが どの器官を通り、どのように体内に吸収され、そして排出されるかを理解します。食べ物は、口から食道、胃、十二指腸、小腸、大腸、肛門へとつながる一つの管のなかを通っていくのですが、この管を「消化管」といいます。

消化について学ぶとき、各消化器官の働きを覚えるだけでは、消化の全体像が掴みにくくなります。消化を体系的に理解するためには、まず、“ちくわ”をイメージしてみましょう。ちくわは穴が開いていて、中が空洞になっていますね。この空洞を消化管、ちくわの身の部分を人体と考えます。ちくわの空洞には何もなく、外と繋がっていますから、この部分はちくわの外と捉えることができます。そう考えると、消化管も体の外にあると言えます。私たちが食べたものが、体の外を通っている……。なんだか不思議に思われるかもしれません。

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小川眞士

小川眞士

  • 専門家・プロ

小川理科研究所(東京都豊島区)主宰。都内の中学校教諭を経て、四谷大塚進学教室理科講師に。開成や桜蔭の特別コースを約25年間担当、コース生28人全員が開成中学に合格した実績を持つ。教務主任や副室長も務めた。2009年4月に小川理科研究所を開設。主な著書に、『中学受験 理科のグラフ完全制覇』(ダイヤモンド社)、『これだけ理科』(森上教育研究所スキル研究会)、『カンペキ小学理科』(技術評論社)がある。

水溜 兼一(Playce)

  • この記事の著者

雑誌・新聞の編集・ライターを経て、現在は、通信教育企業のキュレーションサイトや大学案内のライティングなどを担当。