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令和時代【2】コロナと社会の変化 ―― イメージで覚える中学受験歴史

専門家・プロ
2022年1月25日 吉崎 正明

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元号が令和に変わり、およそ3年の月日が流れました。一般に3年というとあっという間の気がしますが、苦しい出来事も、嬉しい出来事も、多くのことが目まぐるしく起こった“濃い3年間”だったことは間違いないでしょう。

※記事内の情報は、2022年1月16日時点をもとにしています

新型コロナウイルス

新型コロナウイルス(COVID-19)は、2019年12月に中国の湖北(こほく)省・武漢(ぶかん)市で確認されてから、2022年に入った今もなお世界中で流行しています。

パンデミック
世界保健機関(WHO)は、2020年3月にパンデミックを宣言。パンデミックとは「世界的大流行」という意味で、2009年に「新型インフルエンザ」が流行したときも宣言されました。

緊急事態宣言

新型コロナウイルスに感染すると、一般的な風邪のような症状ですむ人だけでなく、重い肺炎によって亡くなる人もいます。こうした事態を受け、日本政府は2020年4月に緊急事態宣言を出しました。これにより対象地域の都道府県知事は、住民に対しての外出自粛をはじめ、学校の休校や商業施設の使用制限、または営業時間の短縮などを要請できるようになりました。

なお、緊急事態宣言を出すためには根拠となる法律が必要です。このとき日本は、新型インフルエンザが流行した際に対応するための「新型インフルエンザ等対策特別措置法」を制定していました。そこでこの法律を今回の新型コロナウイルスにも適用できるように国会で改訂したうえで、緊急事態宣言を出したのです。

緊急事態宣言によって、社会生活は大きく変わりました。今では欠かせなくなったマスクも、コロナウイルスが流行し出した当初は売り切れ続出。ようやくお店で見つけたと思ったら、1箱4000円以上の高額で売られていた、なんて経験をした人もいるかもしれません。こうした現象は、買いたいと思う人が商品の数を大きく上回ること、つまり需要と供給のバランスがくずれたことによって起こりました。

オンライン化

緊急事態宣言にともない、2020年4月ごろは家のなかで過ごしていた人も多いのではないでしょうか。学校の休校や、会社の出社を控える動きも日本全体で見られましたよね。しかし学校としても授業を進める必要があり、仕事が休みっぱなしでは従業員も生活していけません。そこで、パソコンやタブレットを使った「オンライン化」が一気に進みました。オンライン授業やオンライン会議だけでなく、オンライン飲み会やオンライン帰省などなど ――。こうした「オンライン〇〇」の多くは、新型コロナウイルスの流行を機に普及したものも少なくありません。

ちなみに、自宅でお父さん・お母さんが仕事をしている様子を見た子もいるかもしれませんが、このように会社から離れて自宅などで仕事をすることは「テレワーク」や「リモートワーク」と呼ばれます。

ソーシャル・ディスタンス

新型コロナウイルスが流行してからは、「ソーシャル・ディスタンス」という考え方も普及しました。人と人との距離を十分に空ける、という意味ですね。ちなみにソーシャルには「社会的な」という意味もあり、「人間関係の分断」とも読み取れるため、現在は「フィジカル・ディスタンシング」と言い換えられることも増えています。

感染を防ぐ3つの密、「密閉・密集・密接」についても改めて確認しておきましょう。感染を予防するための知識としてはもちろん、中学入試でも出題される可能性が高いので正しく覚えておきたいですね。

ワクチン接種

日本でワクチン接種が始まったのは、2021年2月からです。医療従事者から優先的に接種が始まり、その後は65歳以上の高齢者や基礎疾患がある人へと進んでいき、そして2022年1月現在は12歳以上までワクチン接種が進んでいます。現在、3回目の接種も始まりました。

当初はワクチン接種の予約が困難だったこと、高熱やだるさなどの副反応の心配もあり、反対の声も上がりました。一方で現在は、日本の人口の約80%が2回目のワクチン接種を終えたとされています。

東京オリンピック

2021年7月、さまざまな声が飛び交うなか「東京オリンピック」が開幕しました。当初、東京オリンピックは2020年に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの流行により2020年の開催を断念。そして1年後の2021年、IOC(国際オリンピック委員会)を中心に協議がおこなわれ、開会式やほとんどの競技を無観客で開催することが決定されました。

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吉崎 正明

吉崎 正明

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現役塾講師。都内中学受験塾で社会・国語を担当。12年間在籍した大手進学塾では中学受験難関選抜ゼミ担当を歴任、社内数千名が出場する「授業力コンテスト全国大会」で優勝経験あり。その後家庭教師を経験し、2019年より現在に至る。指導方針は「正しい学習姿勢で、楽しく成績を伸ばす」。また、社会では「センス不要。イメージを作って考える」授業を実践しており、中学受験ナビでも「イメージで覚える中学受験歴史」を執筆。茨城県行方市出身。