
私は私立中学受験をさせたいのですが、主人は「公立中でいい」と言います。|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室
今回の相談
私立中高一貫校の受験を考えているのは、末っ子の娘です。
住んでいる地域は公立王国で、上の子ふたりも、主人も私も公立中学出身です。上の子ふたりは、中学受験勉強のスタート時期に間に合わなかったので、公立中学に進学しましたが、相談の末っ子の娘は準備できる時間もあるし、中高一貫校に進むメリットも大いにあると判断し、検討をはじめました。
金銭的な面も考えて「特待」を狙っていて、特待が取れなかったら、公立中学に進学することになると思います。娘自身も前向きに取り組んでいます。私立中学に行きたいという気持ちも強くなってきているようですし、成績もいい位置をキープしています。
ただ、主人がどうしても納得がいかない様子なのです。娘の勉強を頑張る姿を見ていても、「そんなに勉強しなくてもいい」という感じです。
主人に中学受験に協力的になってもらうには、どうすればよいのでしょうか?
相談者:子供の笑顔大好き
お子さまの学年:小5
桜井さんの回答

子供の笑顔大好きさま、こんにちは。
反対しているご主人さまに協力的になってもらうことって、なかなか難しいのではないでしょうか。
受験勉強を進めているうちに徐々に乗り気になっていくことはあるでしょうし、成績があまりにも良くて乗り気になるってこともあるかもしれませんが、基本的には反対者はそのまま反対ですよね。
うちも妻が最後まで大反対でした。ところが入学後、周囲に言うのです。
「中高一貫校がいいわよ~」って。
どの口が言うのかと思いますが、今では妻も中学受験賛成派です。
その理由はいくつかあるのですが、一番はやっぱり相談者さんのお名前の通りで、「子どもの笑顔」ですね。
中高一貫校は刺激的な子が多いように思います。「ちょっと変わった子」は、「ちょっと個性のある子」と言われ心地よい居場所があります。そしてスポーツ、音楽、勉強、リーダーシップとすべてこなしてしまうスーパーマンもいます。YouTuberレベルの子もいます。
逆にまるで宿題をやらない子もいるんです。みんなで手伝ってあげてもまたやらない。朝起きられないから、毎朝電話して起こしてあげないといけない子もいます。
私は公立しか知りませんから、初めて在校生たちを見たときは衝撃でした。「何という風景だ……」と。
期待していたのはもっと当たり前のことで、お勉強をしっかり教えてくれるいわゆる“いい子”ばかりの学校でした。
娘が過ごしていたのはそんなレベルとはほど遠いところ。「とんでもないところに来たんだ」と思うと、涙が出ました。いつか結婚するときがきたとして、「出席する友人たちはこういうメンバーかあ」と思うと、止まりかけていた涙がまた流れました。
ぜひ、ご主人に私の話を伝えてください。それでも反対なら「受験までは私に任せて。ちゃんと家事はするから」と言ってはどうでしょう。
ただ、少し気がかりなことがあります。「特待生でないとダメだ」みたいな印象がある点です。それって、ダメだったという気持ちを抱えながら公立中に進みかねないということですよね。その場合は、私も反対しますかね。
中学校に入学するというのは重要な節目です。晴れ晴れと入学式を迎えるべきだと私は考えています。残念な気持ちで入学すると、リベンジなんて言いながら、中学校生活を送ることになります。それは「子どもの笑顔」と逆になりますね。
金銭的なこと、ご家庭の方針、さまざまなご事情まではわかりませんが、中学受験は合格したら進学。そう思います。
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