
国語の文章題を解くのが遅すぎる息子。スピードアップするにはどうしたら良いでしょうか?|下剋上受験 桜井信一の中学受験相談室
今回の相談
国語の勉強法について相談させてください。小5の息子は、国語の文章読解問題を読むのが遅すぎて、いつも惜しいところで時間切れとなってしまいます。
息子は、普段の読書もじっくりと読むタイプ。時間が勝負だと分かっていても、なかなかスピードアップしません。
ほかの国語の問題は早く解けるようになったのですが、文章題の回答の遅さが足を引っ張っている状況です。
文章題をスピードアップするには、どうしたら良いのでしょうか?
相談者:読書好き
お子さまの学年:小5
桜井さんの回答

読書好きさま、こんにちは。
「国語のテストで時間が足りない」この悩みはとても多いのですが、その原因が本当に「本文を読む速さ」なのかどうかを、この機会にしっかり確認したいところです。
私が推奨している速さは、分速500字です。つまり、1分間に500字のペースで読むことになります。これは句読点も含む実際の文字数で余白は含みません。ですから、行数×1行の文字数ではありません。
文章題の本文は、5年生のこの時期だと多くても3000字程度ではないでしょうか。すると、本文を読み終えるまでの時間が6分ということになります。いきなりこれを試すのではなく、まずは500字か1000字のところに線を引き、「ここまでを読んでみて」と言ってください。
1000字の場合、2分以内に読めるとちょうどいいペースですが、読める子の方が多いのです。逆に速すぎる子がいるほどです。仮に2分で読めたとしましょう。
ところが、3000字となると6分では読めない子が出てくるのです。これは、長文を読む読書体力の無さが原因です。短距離は走れるけれど長距離は走れないということですね。まだ小学生ですから、難しそうなことが書いてある説明文を前にして、グッと6分間全力で集中することは難しいのでしょう。
あるいは、意味がわからなくて嫌気がさしてくるのかもしれません。小学生では普通のことですから、お子さんがこのケースの場合は、分速500字で読める長さを段階的に増やしていくのはどうでしょうか。
次に、分速500字で読むことはできているけれど、全体的な制限時間が足りないケース。これは、設問(問い)を読むのが遅い、選択肢の一文を読むのが遅い、選択肢から正解を選ぶのが遅い、記述を書くのが遅い……などが考えられます。
これは読解力というよりは技術力(スキル)の問題ですから、ひとつひとつ習うしかありません。繰り返し練習して体得していくことになります。拙著『桜井信一のわが子に教えたくなる中学受験算数・国語(産経新聞出版)』にも少し紹介していますので、良かったらご一読ください。
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※記事の内容は執筆時点のものです