中学受験ノウハウ 連載 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

やる気が出る勉強計画の立て方とは? その1 ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

2022年6月08日 菊池洋匡

自ら伸びる力を育てる学習塾「伸学会」代表の菊池洋匡先生がおくる連載記事。「親子で楽しく試行錯誤することで、子供が伸びる」ということを、中学受験を目指す保護者さんにお伝えします。

こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です

中学受験における成績とは、相対評価の「偏差値」であり、行きつくところは他の子との合格のイスの奪い合いです。

そこが学校の絶対評価の成績とは違うところで、成績を上げ合格を掴むためには、ほかの子を追い抜かねばなりません。

それが、この連載の第1回でお伝えしたことでした。(まだ読んでなければぜひ読んでおいてくださいね)

お子さんの偏差値を上げるために親が絶対にしてはいけないこと ―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

ほかの子を追い抜くためには、ほかの子以上にたくさん勉強をした方が良いですよね。

そこで、今回は「やる気が出る勉強計画の立て方」について試行錯誤してみましょう。

「いつ」「何を」「どれくらい」やるのかを決める

まず、計画を立てる上での基本中の基本は「いつ」「何を」「どれくらい」やるのかを決めることです。

これらを明確化すると、私たちの脳は、やるべきタイミングが来たときに「やろう」とスイッチが入るようにできています。

逆に言えば、これらを決めていないとやる気が起こるはずがありません

「今度こそテストに向けて勉強を頑張る」なんていうありがちなセリフには、「いつ」「何を」「どれくらい」の要素が1つも入っていませんので、こういうことを言っているうちはちゃんと勉強するようにはならないですし、絶対に成績は上がらないのですね。

まずは、計画とは「いつ」「何を」「どれくらい」やるのか決めることだ。

この点を、親子で確認しておきましょう。

今回の話はここからで、「いつ」「何を」「どれくらい」が決まっていないと、絶対にやる気のスイッチは入りませんが、じゃあ「いつ」「何を」「どれくらい」を決めれば必ずやる気になるかというと、そうではありません

さまざまな理由で、「計画を立てたのにうまくいかない」という場合があります。

そこで、今回の記事では、あなたのお子さんにあったやり方を見つけるためのヒントをお伝えできればと思っています。

ぜひ、計画を立てるときの参考にしてみてください。

「いつ」やる?

まず「いつ」に関して考えてみましょう。

私はよく保護者さんから「朝早起きして勉強するのか、それとも夜勉強するのか、どちらが良いのか?」と聞かれます。

これは、実はどちらにもメリットがあります

朝起きたばかりのときは、寝ている間に脳が整理されるので、すっきりとよく働きます。

ですから、特に数学のような考える科目の勉強が良いと言われています。

一方、夜寝る前に勉強をすると、寝ている間に記憶に定着しやすいのでおすすめとも言われています。

特に、漢字や理社の知識分野など、暗記系が良いと言われています。

睡眠時間はちゃんと確保しつつ、勉強に割くことができる時間が100あったとして、じゃあこれを朝と夜で50対50に分けるのか、それとも0対100なのか100対0なのか、割り振りって難しいですよね。

これって結局のところ、子どもが朝起きるのが得意なのか、夜起きているのが得意なのかで決めるのがおすすめです。

私もたくさんの生徒を預かっていますが、生徒によって朝はてんでダメだけど夜は頑張れる子もいれば、夜は眠くてグズグズだけど早起きして勉強するのは得意という子もいて、本当にそれぞれだなぁと思わされます。

こうするべき!という型にはめようとしてしまうと、かえってパフォーマンスが下がってしまうんですね。

ここが、試行錯誤するべきところなのです。「わが子に合うのはどちらなんだろうか」と試してみるんです

朝は思考系、夜は暗記系がおすすめと言われていますが、その逆をやったらダメということももちろんありません

ちょっと効率が良くなるよというだけの話で、やるかやらないかの差に比べたら誤差の範囲です。

最高の効率を求めてやりにくくなって勉強時間が減ってしまう方がよほど損ですから、あまりガチガチに考えないようにしてください

「遊び」と「勉強」どちらを先にやる?

また、「先に勉強を終わらせてから遊びなさいって言っているのに、なかなか勉強をしない」というお悩み相談も良くいただきます。

この「遊ぶ前に勉強を片付けるのか、遊んでから勉強をするのか」というのも、試行錯誤してみるべきポイントです。

実はこれもどちらもメリットがあり、どちらが正しいとは言えないことなのです。

先に勉強を片付ければ、確かに時間が足りなくて宿題が終わらなかったといったことは避けられますよね。

一方で、人間の記憶はどんどん「上書き保存」されてしまうので、せっかく勉強した後に楽しく遊ぶと、勉強した記憶が薄れてしまいます。

先に遊んで、寝る前に勉強をして、勉強が終わったらすぐに寝る方が記憶の定着は良くなります

どちらのメリットを取るか、結局は好みの問題ということですね。

どちらが正しいかではなく好みの問題であるならば、自分の好みを子どもに押しつけるべきではありません。

わが子に合うのはどちらのパターンなのか、お子さんと相談しながら試してみましょう

最初は失敗して、勉強が終わらなかったりすることもあるでしょう。

計画を立てるときに、その勉強を終わらせるのにどれだけ時間がかかるかを正確に見積もるのは難しいものです。

でも、それは仕方のないことです。

計画を見積もるのは、大人でも難しい

私はよく、晩ごはんを作るのに予想以上に時間がかかってしまって、妻を待たせてしまうことがあります。(妻よ、スマン……)

大人だって、「この仕事をするのにどれくらいかかるか」を見積もるのは難しいのですから、子どもであればなおさらです。

失敗したときには、「このやり方はうまくいかないとわかったね」と、親子でポジティブにとらえてください

そして、「次は別のやり方を試してみよう」と話をすすめましょう。

怒りは禁物ですよ

次に、「何を」するか、について書こうと思っていたのですが、決められた字数をオーバーしてしまったので今回はこのへんで。

続きはまた来月書きますのでお楽しみに。

今月はまず「いつ」勉強するかについて試行錯誤してみましょう

一番の敵は、親の側の「こうあるべき」という思い込みです。

万人に通用するただ1つの正解などはありません

あなたのお子さんに合うやり方を親子で探してみてくださいね。

この記事の続きはこちらから「やる気が出る勉強計画の立て方とは? その2

※記事の内容は執筆時点のものです

菊池洋匡
この記事の著者

中学受験専門塾 伸学会代表。開成中学・高校・慶應義塾大学法学部法律学科を卒業。算数オリンピック銀メダリスト。大学生時代にアルバイトで塾講師をはじめ、情熱を持って取り組むうちに、子供たちの成績を上げるだけでなく、勉強を楽しむ気持ちや困難を乗り越え成長していくマインドを育てる方法を確立。その後、15年の塾講師生活で生徒と保護者に「勉強には正しいやり方がある」ということを一貫して伝え続ける。著書に『「やる気」を科学的に分析してわかった 小学生の子が勉強にハマる方法』(秦一生氏との共著、実務教育出版)『「記憶」を科学的に分析してわかった 小学生の子の成績に最短で直結する勉強法』(実務教育出版)。

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