中学受験ノウハウ 連載 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

勉強をスムーズに始められる環境づくり―― 親子のノリノリ試行錯誤で、子供は伸びる

専門家・プロ
2022年10月12日 菊池洋匡

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自ら伸びる力を育てる学習塾「伸学会」代表の菊池洋匡先生がおくる連載記事。「親子で楽しく試行錯誤することで、子供が伸びる」ということを、中学受験を目指す保護者さんにお伝えします。

こんにちは。中学受験専門塾 伸学会代表の菊池です。

今回の記事では、子どもが勉強をスムーズに始められる環境づくりの成功事例をご紹介しようと思います。

あなたのお子さんは、勉強を始めるときにサッと開始できていますか?

もし「なかなか机に向かわない」「ようやく机に向かったと思ったら手が動き始めるまで遅い」とイライラしてらっしゃるようでしたら、今回の記事はきっとお役に立つと思います。

「やる気スイッチ」をONにするために

勉強への取りかかりが遅くなる理由のひとつに「やることが明確ではないから」というのがあります。

ある作業をするのにどれくらいの時間がかかるのか、具体的に何をしたら良いのかが明確になっていないと、私たちの「やる気スイッチ」は入りません。

すでに習慣になっている作業だと、何をしたらいいか、どれくらい時間がかかるかをよく知っているから、行動しやすいですよね。一方で、やってみないとわからないことが多い作業だと、どうしても「めんどくさい」「後回しにしたい」という気分になってしまうのです。

かく言う私も、この中学受験ナビの原稿の執筆やYouTubeの台本作り、そしてオンラインサロンのセミナーの台本作りなど、仕事が溜まってくると、何から着手するか頭の中がごちゃごちゃしてきます。するとやる気が失せて、先延ばしにしてしまうのです。

いい大人でもこのザマです。とほほ。

こうした「先延ばし状態」を脱却するのに効果的なのが、やるべきことを可視化することです。

「TO DOの可視化」から始めよう!

本来は「いつまでに、何をすべきか」というスケジュールに落とし込むことまでできれば理想的ですが、その前にまず「何をすべきか」というTO DOがわかっているだけでも、だいぶ違います。

スケジュールを作るのが難しい子なら、まずは、「TO DOの可視化」から始めて見るといいでしょう。

実際に100均グッズを使った簡単な方法でTO DOの可視化を実践して、成功した保護者さんの事例を紹介します。

そのまま使えないこともあるでしょうが、ぜひあなたのご家庭に合わせてアレンジしながら、試行錯誤してみてくださいね。

「TO DOの可視化」の成功事例

小2男子の親であるBさんは、机の上に、やらなければいけないプリントやワークが溜まっていることに気づきました。一見、整っているように見えるものの、中身をいちいち確認しないと、どの科目なのかもわからない状態だったそうです。

そこでBさんは、何をすべきか、TO DOがすぐわかるようにするために、試行錯誤をはじめました。具体的な取り組みは次の3つです。

  1. 科目別ボックスの設置
  2. 科目別TO DOを明示
  3. 学習机に100均ホワイトボード設置

Bさんの取り組み1. 科目別ボックスの設置

まず、Bさんがやったことは、100均のボックスファイルを買ってくること。そしてお子さんに科目名を書いてもらい、ボックスファイルに貼りつけました。これで「どの科目を勉強すべきか」は、わかるようになりました。

しかし、これだけではまだ効果は出ませんでした。何に手をつけたらよいのか、Bさんが声掛けをしないと勉強を始められない状態だったそうです。

Bさんの取り組み2. 科目別TO DOを明示

その後、Bさんが思いついたのが、こちらの取り組みです。

「どの科目の、どの勉強に手をつけたらよいのか?」がわからなくならないように、学校の宿題、塾の宿題、市販のドリルなど、いろいろな勉強の名前を付箋に書いて、ボックスファイルの前面に貼りつけました。

小学生,TODOの可視化,ボックスファイル,100均

Bさんの取り組み3. 学習机の前にホワイトボードを設置

Bさんの試行錯誤はさらに続きます。

100均のホワイトボードを買ってきて、学習机の前に設置。お子さんが自分で計画を立てられるように、科目別の枠組みを作りました。そして、ボックスファイルと同じように、科目名はお子さん自身に書いてもらい、貼りつけました。

このホワイトボードにお子さん自身が計画を書いて、やったかどうかの結果も書いてもらうようにしたのです。

小学生,TODOの可視化,ホワイトボード

Bさんの試行錯誤の結果1. 科目別のプリント類の整理が実現

それまで乱雑にブックエンドに立てかけてあったプリント類が、ボックスファイルに科目別に整理されたことで、何がどこにあるのかがわかるようになりました。

「『あれが無い、これも無い』といって探す時間は、少ないですが2分程度短縮できたかもしれません」とBさん。

Bさん自身のストレスも減ったと語ります。

Bさんの試行錯誤の結果2. 子どもが自らTO DOを計画するように

科目別のTO DOがボックスファイルの前面に明示されているので、その中からTO DOを選んでホワイトボードに書くだけで、お子さん自身でかんたんに計画が立てられるように。「自分でやっている感があるようで、勉強もスムーズに実行できるようになりました」とBさん。

【整理整頓】+【TO DOの可視化】を【子どもと一緒に】

子どもが勉強をサッと始められる環境づくりに成功したBさん。いい結果になった理由について、次のように述べています。

「はじめは、子どもが勉強しない理由と、親にできるサポートって何だろうということを考えていました。その一環として、勉強する環境を整えてやろうと思い、【プリント類の整理整頓】+【TO DOを具体的に明示して可視化】をおこなったのです。結果としては、仕組みづくりに子ども自身が参加したことも重要だったのかもしれません。

【整理整頓】+【TO DOの可視化】で、子どもが自律的に動ける環境を【子どもと一緒に】作ること。これをおすすめしたいです。あと100均グッズもオススメです(笑)」(Bさん)


ということで、TO DOをわかりやすく可視化したことで、子どもが自律的に動くようになった事例のご紹介でした。

TO DOを子ども自身が考えるように仕向けたというのも、子どもの内発的動機づけを高めるために効果的でしたね。

同じようにTO DOを可視化しても、それが親から子どもへの押しつけになっていたら、子どもに反発されてしまって、うまくいかないこともあるのでご注意ください。

TO DOを可視化する方法としては、Bさんのとった

  • ボックスを使って整理整頓する
  • 付箋を活用する
  • TO DOリストを作る

どれも効果的だったと思います。

Bさんのお子さんには、すべての方法の組み合わせたやり方と、子ども自身を仕組みづくりに巻きこんだことが、合っていたのでしょうね。

あなたのお子さんに合うのは、どんなやり方でしょうか?

今月もまた、試行錯誤していきましょう。

※記事の内容は執筆時点のものです

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