「成績が悪くてごめんなさい」 親の顔色を見て受験勉強をする危うさ ―― 中学受験との向き合い方
専門家・プロ
2022年12月06日
やまかわ
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首都圏の一部では、4人に1人の小学生が挑戦するともいわれる中学受験。子供の受験に親はどう向き合えばよいのでしょうか。この連載では、『中学受験は挑戦したほうが100倍子供のためになる理由』の著者である、田中純先生に中学受験との向き合い方をテーマにさまざまな話を伺います。
「テストの点が悪くてごめんなさい」、「授業についていけなくてごめんなさい」。中学受験では、このように子供が親に謝ってばかりいるご家庭を時折見かけます。受験シーンで子供が親の顔色をうかがうことには一体どんな落とし穴があるのか、そしてその落とし穴にはまらないために、親としてどのような心構えでいるべきか、田中先生にインタビュー形式でお聞きしました。
親の『ねば・ネバ思考』と、子供の「ごめんなさい」
―― 中学受験をする場合、親にも「志望校に受かって欲しい」という気持ちがあります。そのうえで子供が伸び悩むと、つい態度や姿勢を咎めてしまう。すると、お子さんも「テストで悪い点を取ってごめんなさい」と謝る機会も出てくる。こうした親子関係について、リスクはありますか?
はい、いくつもリスクがあります。まず私が申し上げておきたいのは、中学受験で「ごめんなさい」や「すみません」という謝る言葉は不要ですよということです。
受験のことで子供に謝られることが多い親御さんは、「うちの子は絶対に○○中学に合格させないといけない」とか、「塾で上位クラスをキープさせねばならない」というような義務感が強いのではないでしょうか。
これは以前の記事でも解説しましたけれども、『ねば・ネバ思考』 が濃厚な状態です。
「~せねばならない」「決して(Never)~してはいけない」という親の気持ちは、ときに“想い”と”現実”とのギャップを増大させ、親御さん自身がストレスを感じたり、相手にストレスを感じさせたりします。
これによって家内不安全が発生したり、子供の身動きがとれなくなったりすると、それは「悪玉ストレス=毒」になります。そうなってしまうと「○○中学合格」や「テストの点数アップ」という本来の期待とは、かけ離れていきます。
親が叱責し、なじることのリスク
―― 仮に子供が親に対して「成績が悪くてごめんなさい」などと言ってきたときに、さらにりつけたり、なじったりしたら、どうなるでしょうか
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とじる
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